“マー師匠”直伝の「先発必勝法」を実践する。楽天松井裕樹投手(24)が26日、楽天生命パーク室内練習場で自主トレを公開。

1年目の14年以来となる先発へ再転向する昨季のセーブ王は、自主トレをともにするヤンキース田中に、先発としての心得を学んだことを明かした。

キーワードは「ストライクゾーンで攻めろ」。1点も与えられない修羅場を力投でしのぎ続けたが、今季からは少ない球数で長い回を投げることが求められる。ポイントは2つだ。

<1>どんなカウントでも変化球でストライクをとる

<2>第1ストライクを初球でとる

松井は「1人のランナーへの恐怖感は下がる。リズムもありますし去年も少し意識していた」と明かす。1アウト当たりに要した球数は18年の6・04に比べ、昨季は5・64。9回換算で約10球減らした。昨季までは投球頻度の少ないカーブ、大きな曲がりのスライダーの活用も頭にある。

目でも学んだ。合同自主トレ中、田中のブルペン投球を左打席上で見る機会があった。外角からのスライダー、内角へのカットボール、直球、スプリット…。「ベースを広くこうやって使うんだよと。メッセージを感じられた」と組み立て方を吸収した。

この日のブルペンでは“師匠”と同じノーワインドアップを披露。セットポジションからの変更に「動きの中で力を作った方が1球にかかるエネルギーが少なくなる」と試行錯誤を続ける。何事も絶対はない。ただシーズン24連勝を成し遂げた絶対的エースの教えで、好投への確率を上げることはできる。【桑原幹久】