エースのエキスをたっぷり吸収してきました! 広島床田寛樹投手(24)が29日、宮崎・日南で行うキャンプ先乗りの合同自主トレでブルペン入り。

今オフにOBで元エースの黒田博樹氏(44)から金言を授かったことを明かした。自主トレは大瀬良大地投手(28)に弟子入りし、地獄の鍛錬を実施。目標の2桁勝利&規定投球回到達へ、手応え十分のキャンプインだ。

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「まずは開幕先発ローテ入りして、2桁勝利、規定投球回に到達したい」。床田が掲げた目標は、あっさり否定された。1月に黒田氏、大瀬良、戸田、床田の4人で食事する機会があり、黒田氏に目標を伝えたところ「正直レベルが低い」と指摘を受けたという。

黒田氏 先発ローテに入るのは誰でもできる。最初から2桁、規定投球回に乗るつもりでやらないと、結果は変わってくる。ローテに入ったことない若手がライバルになってしまう。

黒田氏は25年ぶりにリーグ優勝した16年に現役を引退。床田が17年入団のため、入れ違いで接点は少なかった。左腕は「めっちゃ緊張しました」と当時を振り返り、決意を新たにした。「黒田さんに『2桁勝てる力はある』と言ってもらえた。先発ローテに入れたらいいとかじゃなくて、絶対入る気持ちでやります」。

目標達成へ、1月は下半身を徹底的に鍛え上げた。大瀬良から誘われ、合同自主トレを敢行。1年間戦い抜くための体力強化がメインだった。100メートルを20秒以内で走り、20秒休憩するメニューを10本×5セット、1日合計50本を毎日行ったという。「めちゃくちゃ走りました。大瀬良さんは昭和タイプ。根性論的な感じの人で、妥協は一切なかった。すごく勉強できた」。他にもウエートトレーニングや水泳などで、エースの鍛錬を積んできた。

17年に受けた左肘のトミー・ジョン手術から再起し、昨季は7勝を挙げた。ただ24試合に先発し、7回以上投げたのは7試合。「最低でも7回まではいきたい。7回まで投げれば勝ち星も増える」と力を込めた。この日は昨シーズン以来となる、捕手を座らせた状態でのブルペン投球を行い、51球投げ込んだ。オフに鯉の先輩エースから刺激をたっぷり受けた左腕。恩返しの大活躍を期す。【古財稜明】