昨年12月に学生野球資格回復研修を受けたイチロー氏(46=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が7日、資格回復を認められた。都内で開かれた日本学生野球協会による資格回復審査委員会で、同氏を含む94人が認定された。

8日以降、各都道府県高野連や各大学連盟に指導者登録すれば、学生を指導できる。

<学生野球資格回復研修制度Q&A>

Q 何のための制度?

国内外を問わず、独立リーグを含むプロになった人(指導者、スタッフも)は学生野球資格を失うため、学生(高校生、大学生)を指導できない。研修を受け日本学生野球協会で資格回復を認められれば、各連盟への登録を経て学生を指導できる(母校は連盟登録なしで指導可)。13年に制度化された。殿堂入りしたプロ経験者は特例で研修に代わる面談、リポート提出など手続きが簡略になる。

Q 何を学ぶ?

12月中旬に3日間、東京で開催。初日は「NPBプロ研修会」で、プロアマの歴史、新人選手獲得ルール、指導者の役割、障がい予防など。小テストもある。2、3日目は「学生野球研修会」で、部活動の位置づけと学校長の権限、留意すべき教育的配慮の事例、安全管理など。リポート提出もある。3日間を終えれば修了証が交付され、学生野球資格回復審査委員会に申請できる。

Q 現役も受講可能?

昨年の研修から球団在籍中の監督、コーチ、選手、スタッフも受講可能となった。研修終了の有効期間は5年間。あらかじめ受講しておくことで、退団後すぐに資格回復を目指せる。

Q 研修以外で回復可能?

研修を受けなくても、教諭になれば、すぐ資格回復が認められる。以前は教諭歴2年が条件だったが、撤廃された。米独立リーグ経験がある大船渡(岩手)の国保監督がそうだ。

Q 受講できない人も?

国内の独立リーグは、日本独立リーグ野球機構(IPBL)に属する四国IL、BCが研修制度の対象だ。関西独立リーグはIPBL未加盟のため、同リーグしか所属していない人は研修自体、受けられない。資格回復には教諭になるしかないのが現状だ。