昨年12月に学生野球資格回復研修を受けたイチロー氏(46=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が7日、資格回復を認められた。

都内で開かれた日本学生野球協会による資格回復審査委員会で、同氏を含む94人が認定された。8日以降、各都道府県高野連や各大学連盟に指導者登録すれば、学生を指導できる。

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日本学生野球協会は、なぜ資格回復制度を設けているのか。内藤雅之理事は「理解していただきたいのは、特に高校生は野球の指導だけではない、ということです。プロの皆さんは学校の現場を知らないわけですから、研修内容は最低限、知ってもらいたいこと。“変な塀”があるとは考えてほしくない」と強調した。

13年6月に研修制度が設けられ、翌年1月から同制度による資格回復者が誕生した。今回で延べ1433人に達した(プロ入りで資格喪失した人を含む)。ただ、それだけいても、高校の監督は95%が教諭、3%が学校職員。資格回復し専任監督となった元プロは、まだまだ限られる。教諭や職員なら知っている学校の現実を、プロにも学んで欲しいという趣旨がある。イチロー氏の特例が認められたように、プロへの門戸は広がる流れにある。その上で、内藤理事は「形態は変わるかも知れないが、研修制度は続いていく」と話した。