日本野球機構(NPB)とJリーグが3日、都内で「新型コロナウイルス対策連絡会議」を行った。NPB斉藤コミッショナーや、Jリーグ村井チェアマンらが出席。

専門家として座長の賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授)をはじめ、三鴨広繁氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)舘田一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)を招き、試合開催などについての意見を聞いた。

三鴨氏は「我々は基本的にやらない、中止するという考えではなく、どちらかというと前向きな姿勢で、するのであればどうしたらいいかという姿勢でいろんなことを考えている」と、この日は開催の是非についてではなく、選手、スタッフ、観客の予防について議論。選手にはロッカーの時間差利用、食事時の1・5メートル以上の間隔確保などを提言された。各球団の地域ごとに助言を受けるためのアドバイザーも専任する方針も固まった。

また両競技ともファンが近い距離で応援するスタイルでの感染のリスクについても話し合われた。野球における鳴り物自粛の可能性に賀来氏は「提言の中にも私たちがリスクと考えるものに関しては入れさせていただきたい」と示唆した。

チーム内から感染者が出た場合についての対応も議論された。賀来氏は「1人出たらすべてすぐに中止になるかというと、潜伏期間もあるし、政府からの今現在のデータでは約80%の方が次の人にかかっていないという現状がある。ただこれは濃厚接触の具合によっては当然パーセンテージが違ってくる。1人出たときにどうするのか、今この時点ではっきり申し上げられないが、その可能性も含めてどう次に対応していくのか、次の会議までにある程度、専門家の意見をまとめて答申させていただければ」と答えた。

9日には第2回の会議を行い、開催に絡む討議を行う。その後は専門家による意見書をまとめてもらい、両組織が開催を各自で判断することになる。斉藤コミッショナーは「複雑な方程式を解いているようなもの。感染防止の問題が一番大事だが、それに伴うプロとしての事業がある。いろんなところで広く働いている方がたくさんある。それを止める、伸ばすことにより生活権の問題も絡んでくる。そういうことも含めて野球については私の方で責任を持ってジャッジしたい」と話した。