身長190センチの大型育成右腕が覚醒へのベールを脱いだ。2年目の楽天清宮虎多朗投手(19)が、NPB2軍以上では通算2試合目の実戦に登板。2回を4奪三振無失点と好投した。昨季は「投げられるような状況じゃなかった」と極度の制球難に苦しみ、2軍戦の登板もなし。課題克服のためシャドーピッチングを繰り返し、上昇機運への手応えを感じている。

狙い通りの奪三振ショーだった。清宮は6回から2番手で救援。先頭のロッテ鳥谷敬内野手を2球で追い込み、カウント2-2からベース付近でショートバウンドになるカーブを意図的に投じ、空振りさせた。「鳥谷選手を三振に取れて、自信につながった」。2死から安田にはカーブが高めに抜けたがタイミングが合わず空を切らせ、この回を3者凡退に抑えた。

7回は先頭の香月一也内野手を空振りで、1死一塁で迎えた平沢大河内野手も見逃しの3球三振に仕留めた。清宮も「(外角の)際どいところに制球できた、いいボールだった」と納得の1球で、課題の制球にも成長の跡をうかがわせた。それでも7回に一塁へのけん制悪送球で得点圏に走者を進めるミスがあり、「けん制、バント処理が苦手で不安要素になっている。しっかり練習していく」と反省も忘れない。まずはイースタン・リーグで初公式戦のマウンドに立ち、アピールを続ける。【佐藤究】