打ってマルチ、守ってマルチ。ソフトバンク栗原陵矢捕手(23)が「スーパーマルチ」な大活躍で、初の開幕スタメンに大きく前進した。

ロッテとの練習試合に6番捕手で出場。1発を含む2安打1打点をマークした。20日からの3連戦は初戦が「7番一塁→左翼」で2安打、2戦目が「代打」でサヨナラ打、そしてこの日は「6番捕手→左翼」で本塁打ありの2安打。“幻の開幕3連戦”は7打数5安打3打点1本塁打、打率7割1分4厘の大暴れで、昨季8勝17敗と苦手にしたロッテ相手に会心の3連勝をもたらした。キャンプ中の練習試合も含めると5戦5勝だ。

6年目の打撃開眼を象徴するアーチだった。「早く構えて、ゆっくりタイミングを図ること」。4回第2打席で、西野のカーブを引きつけ右翼テラス席に運んだ。「納得の本塁打です。変化球を打ててなかったですから」。捕手としても、14年ドラフト同期入団の先発松本を好リード。2回に二盗を狙った中村奨を刺すなど、4回まで無安打に抑えた。「松本とは2人で結果を残そうと言っていた」。開幕日が決まらない中、ローテ入りとスタメンを狙うコンビとして、結果を出せたことを喜んだ。工藤監督も開幕スタメンについて「いい状態であれば、使いたいと思う候補の1人」と笑みが絶えなかった。

2軍調整している内川は、24日からの大阪遠征(オリックス3連戦、京セラドーム大阪)から、1軍合流することが決まった。栗原にとって、一塁争いで強力なライバルとなる。「少しずつですが、やれるかなと思い始めてます。なんとか食らいついていっているかな」。言葉は謙虚だが、大きな自信をつかんでいる。【浦田由紀夫】

▽ソフトバンク西田(2回に先制の中前適時打)「打ったのはスライダーです。チャンスだったし、積極的に打ちにいった。当たりはよくなかったけど、いいところに落ちてくれました」

▽ソフトバンク・リチャード(支配下登録後、対外試合初スタメンで2安打)「1日1本(安打)を目指しているので結果はいいけど、内容は満足していません」