ソフトバンクナインにとって、23日は「バタバタの1日」となった。この日は24日からのオリックスとの練習試合のため、陸路大阪入りする予定だった。

だが昼すぎの時点で、チームは12球団代表者会議で開幕の4月24日以降への延期が発表された場合は大阪遠征を取りやめる準備を始めた。

ペイペイドームで練習した先発投手陣と工藤監督ら首脳陣は、帰宅。大阪入りの準備をしていたスタッフもペイペイドームへ移動し、博多にとどまるよう選手らへの連絡に全力を尽くした。結局、代表者会議で練習試合中止が発表された。

すでに新大阪行きの新幹線に乗っていた選手、コーチ、スタッフらもいたが「とんぼ返り」。大忙しの山口1軍担当マネジャーは「何人か移動してしまっていて、広島あたりで引き返してもらった」。予定変更にも大きなトラブルはなく、胸をなで下ろした。

とはいえ、ナインも動揺は隠せず。開幕投手に指名されている東浜は、4月10日まで練習試合が中止となったことに「何も言えない、というのが正直な気持ちです」と驚き。「土台からではないが、やっていくしかない。体調管理にも気をつけないといけない」と話した。ベテラン和田も「賢明な判断だと思う。調整は難しくなるが、自分がいい球を投げるためにどうするかよりも、選手もファンも健康な状態で開幕を迎えられるように頑張るしかない。自分たち選手も(コロナウイルスに)感染しないようにしないといけない」となお一層の体調管理の重要性を口にした。

工藤監督は投手陣の練習後に「いろいろ状況が変わっても、いいコンディションで開幕できるように全力を尽くすしかない」と話していた。24日は全体練習を行う。約1カ月後になった「開幕予定」に向け、異例の「再スタート」を切る。【浦田由紀夫】