158キロ右腕・西武平良海馬投手(20)が、男を磨くために「断捨離」をする。チームは2日、埼玉・所沢のメットライフドームでの全体練習を終え、3日間の練習自粛に入る。開幕延期で練習が続く中、ウエートトレーニングの効果を受け、体が一回り大きくなった平良は、服が小さくて着られなくなる悩みを打ち明けた。自宅待機で十分過ぎる時間を使って、不要なモノを減らすことで、身も心も筋肉質に生まれ変わる。

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肩周りに腕、足腰が一回り大きくなった。うれしいはずが、20歳の平良は恥ずかしそうに悩みを打ち明けた。「ウエート(トレーニング)を毎日しているから、服が小さくなっているんですよ。去年の服とか、もう着られなくって…。今年1サイズ大きくしたんです」。せっかく着ていた服が着られなくなった。だから、自宅待機であいた時間に「断捨離をします」と宣言した。

不要なものを捨て、身も心も筋肉質にする。全体練習前でも、午前中にウエートトレーニングを行っている効果が、如実に表れている。ベンチプレス130キロ、スクワット180キロを持ち上げる鋼の肉体は、オフからさらにボリュームアップした。不要な脂肪ではなく「筋肉量が2、3キロ増えた」という。服のサイズも上半身はXL、下半身は3XLのストレッチ性ズボン。「伸びるやつじゃないと、はけません」。服が着られなくなるたびに「成長したな~」と実感する。

ファッションにも興味を持ち始め、普段はワニのマークがロゴになったフランスブランドの服を着こなしている。まだ新型コロナウイルスがまん延する前は、ショッピングモールに出かけ、気に入ったものをまとめ買いしていた。しかし「(昨オフの)自主トレのとき買ったのも、来年はもう着られなくなるだろうから」と、前回の自宅待機時に断捨離を敢行。着られなくなる服への執着から解放されることで、心も整った。今回も成長を実感しながら、仕分けをする。

練習では、この日もブルペンに入り実戦を意識して投げ込んだ。自費購入した約70万円のポータブルトラッキングシステム「ラプソード」で球質を確認。「球質を自分の感覚と照らし合わせていきたい」と話す平良は、まだまだ大きく成長していくつもりだ。【栗田成芳】