東京6大学野球連盟は5日、神宮球場で臨時理事会を開き、今春リーグ戦を1試合総当たり方式の勝率で順位を競うことを決めた。

2戦先勝による勝ち点制に代わり、他5大学と1試合ずつ、リーグ全体でも計15試合だけ。新型コロナウイルス感染拡大が止まらない状況で、戦中、戦後の混乱期に匹敵する最大限のスリム化を選んだ。1試合総当たり制は、文部省による「野球統制令」を受けた40年秋、41年秋、42年秋と、戦後最初のリーグ戦となった46年春以来5回目。実に74年ぶりだ。

具体的な日程は今後、検討するが、1日3試合を採用すれば、最短わずか3週間で終わる。現実を受け入れ、第8週の早慶戦で締める伝統も傍らに置いた。井上崇通理事長は「予断を許さない。結果として中止の可能性も考慮しないといけない。日程的に、やれるか、やれないかで(方式を)選んだ」と説明。当初の4月11日開幕は5月下旬に延期。同30日が目標だが、6月開幕や、最悪、中止も覚悟する。

各大学の現状も考慮した。練習を継続する大学がある一方、東大は3月27日から活動停止中。立大は早くから対外試合を取りやめた。同理事長は「準備ができていないところがハンディになるのは避けたい」。4月中は全大学がオープン戦を行わないことも決めた。

リーグ戦は無観客の可能性がある。華やかな応援合戦は見られないが、根底には、プレー機会だけは確保したい思いがある。内藤雅之事務局長は「学生たちのリーグ戦をやりたい気持ちがある。ギリギリのところで考えた」と苦しい胸の内を明かした。【古川真弥】