阪神は15日から甲子園、鳴尾浜施設の施設開放、自主練習を開始することを13日、発表した。

自主練習期間は15日から当面の間。4月中は18日、22日、27日が休日となる。あくまで自主練習であり、施設利用を希望する選手に対して、あらかじめ利用時間帯を示して施設開放を行う。

1軍は甲子園施設、2軍、寮生、故障者は鳴尾浜施設で自主練習する。甲子園、鳴尾浜ともに投手・野手それぞれ2グループに分かれ、午前、午後の時間帯に分かれて練習する。

前日12日には谷本球団副社長兼本部長がチーム再稼働の時期について「まだ決めていません」とした上で、再開後のプランについては地域アドバイザーからの助言も受けて「ウエートトレーニングとか室内の練習について、ソーシャルディスタンス、きちんと距離をとって消毒もきちんとやれば、基本マスクまでは必要ないでしょうというコメントをいただけた」と説明。トレーニング室に入る人数を通常の半分以下に抑えるなど、制限する形での使用が検討されていた。

阪神では3月26日深夜に藤浪晋太郎投手(26)、伊藤隼太外野手(30)、長坂拳弥捕手(25)が新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査で陽性反応を受けた。

3人は翌27日から入院し、チーム全体も同日から活動を停止。当初は最短で4月9日から活動再開の可能性もあったが、4月7日に発令された緊急事態宣言で本拠地を置く兵庫県も対象地となったことを受け、同8日からは甲子園球場も臨時休業となっている。

伊藤隼は4月5日、藤浪は同7日、長坂は同8日に退院したが、3人は退院から最低でも2週間は自宅、自室待機期間が設けられることになっている。

〈これまでの経過〉

◆3月14日 藤浪、伊藤隼、長坂ら7選手が大阪市内で知人らと会食。

◆18日 長坂が体調不良を訴え練習欠席。藤浪は2軍練習試合(オリックス戦)に登板。

◆19日 長坂が大阪府内病院で胸部CT検査を受け「風邪」の診断。他選手らと隔離した形で寮内で療養。伊藤隼は2軍練習試合(オリックス戦)出場。

◆20日 伊藤隼は中日との2軍練習試合(ナゴヤ)の遠征に参加(~22日)。

◆21日 藤浪が嗅覚異常を訴える。

◆22日 伊藤隼が嗅覚異常を自覚。

◆24日 長坂が練習復帰。夜に小幡と寮内で食事。伊藤隼は鳴尾浜の2軍練習試合(ソフトバンク戦)に出場。藤浪は兵庫県内の病院を受診。

◆25日 藤浪が別の病院を受診。伊藤隼は2軍練習試合に出場。長坂は2軍練習参加。寮内で小幡と食事。

◆26日 藤浪、伊藤隼、長坂が大阪府内の病院でPCR検査。球団は4月1日までの活動休止を決定。

◆27日 球団が3選手の陽性を発表。小幡が西宮市保健所により濃厚接触者に指定される。

◆28日 14日の会食に参加していた大阪市の20代女性2人の感染発表。阪神選手の同居家族女性も感染が明らかに。

◆29日 14日の会食に参加していた神戸市内の20代女性の感染を発表。会食に参加していたのは選手含め当初12人とされていたが、延べ13人以上だったことも判明。中日2軍の2選手が、伊藤隼と練習試合で接触したため自宅待機に。

◆30日 緊急役員会で活動休止期間の延長を決定。中日はナゴヤ球場で消毒作業。

◆31日 パ・リーグがオンラインで社長会を行い、4月24日の開幕は困難との認識で一致。

◆4月2日 小幡がPCR検査を受けたことを発表。

◆3日 小幡の陰性が判明。

◆4日 米国出身の外国人選手に、帰国希望者がいないことが判明。

◆5日 伊藤隼が退院。

◆6日 西宮市内の独身寮「虎風荘」に住む寮生に対し、心理的な負担を考慮して、ホテルまたは選手の実家に“疎開”する選択肢を提示。希望する選手はこの日から一時的に生活拠点を移した。

◆7日 藤浪が退院。また政府の緊急事態宣言を受け、最短4月9日だったチームの活動再開を断念し、活動休止期間を継続する方針を示した。

◆8日 長坂が退院。感染が確認された全3選手が退院したが、球団は再稼働には慎重な姿勢。

◆9日 梅野と糸井が、ネットを通じて資金を募るクラウドファンディング企業「READYFOR」を通じて「新型コロナウイルス感染症 拡大防止活動基金」に寄付したことを、インスタグラムで発表。

◆10日 感染した3選手の濃厚接触者とされていた選手、スタッフらの保健所による体調チェック期間が終了。

◆12日 藤浪、伊藤隼、長坂の自宅、自室待機期間が退院から最低でも2週間は設けられることが判明。