全日本大学野球連盟は12日、オンラインで緊急理事会を開き、開幕が6月8日から8月12日に延期された全日本大学選手権の中止を全会一致で決めた。中止は52年の大会開始以来、初めて。

新型コロナウイルス感染拡大により、加盟校の選手、関係者の健康・安全を最優先に考えた。同時に、加盟校への負担を減らす狙いもある。内藤雅之常務理事は「8月になればできるかも知れないが、大学選手権があるために、加盟26連盟に無理な運営をさせるともとれる」と話した。

既に今春リーグ戦中止を決めた連盟もあるが、選手権開催なら代表校を選出するための試合をしなければいけなくなる。依然として活動休止中の大学が多く、開幕までの準備期間や夏休み前のテスト期間を考えると、既に日程は厳しくなっている。大学選手権が中止となることで、各連盟の負担が軽減される面がある。

同時に、選手権中止でも、各連盟に対し一律にリーグ戦中止を求めることはしない。6月下旬または7月以降、リーグ戦開催が可能な場合は、大学、地方自治体とも確認し、十分な対策を講じた上で判断するよう通知した。ただし、緊急事態宣言中の対外試合は禁止。夏休み中に宿泊や長距離移動を伴うキャンプ、遠征についても、感染拡大を防ぐため、慎むよう求める。

また、4年生が春季リーグ戦で引退する大学もあるが、今回は前例のない事態であるため、加盟校・指導者に対し、秋季リーグ戦でも活動できるよう配慮を求める。