＃開幕を待つファンへ　野球で算数第２弾、超難問編

＃開幕を待つファンへ　3月に掲載した「算数」第2弾を送ります。今は、じっくり数字と向き合える…数学や物理にも踏み込んでみました。巨人の村田修一2軍野手総合コーチが、6年前に放った特大アーチの飛距離を求める1問は、大学入試レベル。コツコツ解くもよし、親御さんに聞くもよし、オンラインで先生に聞くもよし。野球選手のすごさを導き出して下さい！【監修＝鈴木正章】

(※全部で4問です。)

◇算数第1弾はこちら

【Q1】「サニブラウンに勝った男」中大・五十幡亮汰外野手（4年＝佐野日大）は、1年春の大学リーグ戦初打席となった日大戦で三塁内野安打を放った。その際の一塁到達時間は、スカウトの計測で3．770秒だった。塁間を27・40メートルとした場合、平均時速何キロで走ったことになるか。有効数字3桁で求めよ。途中計算は有効数字4桁で、5桁目を切り捨てとする。

: 中大・五十幡亮汰外野手

【解1】0・0274÷3・77×3600＝26・16　時速26・2キロ

【解説】塁間27・4メートルは、0・0274キロメートル。これを3秒77で割れば、1秒で何キロ走ったか分かる。1時間＝3600秒だから、その距離を3600倍すれば、時速何キロか求められる。26・16の小数点第2位を四捨五入し、時速26・2キロとなる。ちなみに、ウサイン・ボルトの100メートル走世界記録9秒58は、平均時速37・6キロ。（＝0・1÷9・58×3600）

【Q2】ソフトバンク甲斐捕手は、投球を捕球してから二塁までの送球タイム1秒72で、盗塁を企画した西武源田を刺したことがある。送球が時速140キロとして、捕球から送球までの時間を有効数字2桁で求めよ。途中計算は有効数字3桁で、4桁目を切り捨てとする。また野球場の塁間の距離は90・0フィート、1フィート＝30・5センチとする。

: ソフトバンク甲斐拓也捕手

【解2】三平方の定理より、本塁から二塁の距離は90×√2×0・305＝38・8メートル。

時速140キロは、秒速に換算すると、140×1000÷3600＝38・8メートル／秒。二塁までの38・8メートルを1・00秒で到達する。1・72－1・00＝0・72。捕球から送球までは0・72秒。

【Q3－1】新型コロナウイルス感染拡大が、プロ球団Aに及ぼす影響について想定する。球団Aの本拠地は4万人収容。今季はウイルス感染防止のため、図1のように約2メートルの間隔を空けられる形で観客を収容することになった。今季は公式戦が100試合に減少。ホーム開催50試合のうち、最初の6試合が無観客、次の6試合が、図1のような間隔の入場制限開催で満員となった。残り試合は通常開催となり、前年同様の平均3万5000人が入場した。このとき、今季の平均入場者数を整数で求めよ。途中計算は小数第1位を四捨五入とする。

: 約2メートル間隔を空けた座席表

【解3－1】図より、制限開催中の収容人数は40000×（15／90）＝6667人。

今季の総入場者数は（0×6）＋（6667×6）＋（35000×38）＝1370002

1370002÷50＝27400・0404

平均入場者数は2万7400人

【Q3－2】A球団は昨季、公式戦144試合でホーム開催72試合、平均入場者数3万5000人で平均入場料金2500円、ホーム1試合の放映権料1000万円で、グッズ売り上げが40億円だった。今季は平均入場料金、ホーム1試合の放映権料はそのままだが、グッズ収入は前年比95％、平均入場者数は　3－1）の値となった。球団Aの収入はいくら減少したか。整数で求めよ。その他のスポンサー料金、事業収入などは考慮しない。

【解3－2】昨季収入：（入場料収入：72×35000×2500＝63億円）＋（放映権料：1000万円×72＝7億2000万円）＋（グッズ：40億円）＝110・2億円

今季収入：（入場料収入：50×27400×2500＝34億2500万円）＋（放映権料：1000万円×50＝5億円）＋（グッズ：40億円×0・95＝38億円）＝77億2500万円

収益金額は、110・2ー77・25＝32・95

32億9500万円の減少

【Q4】14年4月9日、巨人村田が東京ドームで放った特大本塁打の飛距離を計測せよ。打球を当てた照明の高さは、グラウンドから55メートルとする。打球が照明に当たるまでの時間は4・22秒とする。照明をグラウンドへ真下に降ろすと、打席から96メートル地点となる。ボールの重さや空気抵抗を加味した数値の誤差は数％のため考慮しない。解は近似値とし、有効数字4桁で求めよ。途中計算は有効数字5桁で、6桁目は切り捨てとする。