#開幕を待つファンへ 2020年プロ野球の「色」が見えてきた。3戦連続となる2本塁打を放った西武の新外国人コーリー・スパンジェンバーグ外野手(29)を筆頭に、各球団の助っ人が軒並み好調。寒い春先を飛ばしての開幕は大きくプラスに働きそうだ。もう1つのキーワードは「2番」。各チームが強打者を配し、打線のコアに位置づける狙いが透けて見える。6日もDeNAソト、日本ハム大田がそろって本塁打を放った。

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◆2番の強打者 先発2番で20本塁打以上打ったのは過去10人(11度)。06年リグス(ヤクルト)の37本が最多で、30本以上は他に80年簑田(阪急)と昨季の坂本勇(巨人)の3人。

◆外国人による打撃3部門独占 1人で3部門独占した84年ブーマー(阪急)85、86年バース(阪神)を含めて過去11度。直近は18年セで、首位打者ビシエド(中日)本塁打王ソト(DeNA)打点王バレンティン(ヤクルト)だった。両リーグともに外国人が独占した年はまだないが、セ・パ併せて5部門のケースが3度あり、99年はセが首位打者、打点王ローズ(横浜)本塁打王ペタジーニ(ヤクルト)で、パが首位打者イチロー(オリックス)本塁打王、打点王ローズ(近鉄)だった例がある。

◆米国も2番に強打者 2006年にセイバーメトリクスの書籍「プレイング・パーセンテージ・イン・ベースボール(確率で戦う野球)」が出版され、2番打者の重要性が周知され始めた。その中で「最強打者は1、2、4番に置くべき。2番と4番の出塁率は同等であるべき。2番打者は3番打者よりも得点期待値が高い」といったデータが紹介されている。当時2番打者として有名なヤンキースのデレク・ジーター遊撃手(45)は、メジャー4年目の98年から08年まで2番の起用が多かったが、進塁打などのチーム打撃もできる器用な打者と見られていた。

2番に強打者を置くことがトレンドになったのは10年代以降のことで、MVPに3度輝いたエンゼルスのマイク・トラウト外野手(28)は3年目の13年から2番を打つことが増え、象徴的な存在となった。2010年代半ばになると強打の2番が続出し、2年連続首位打者で18年MVPのブルワーズのクリスチャン・イエリチ外野手(28)、10年MVPで通算284本塁打のレッズのジョーイ・ボット内野手(36)も2番を打っている。