今季の矢野阪神が「8回スアレス、9回藤川」の方程式で白星をつかみに行く。

本番直前のラストゲームで、ソフトバンクから移籍したロベルト・スアレス投手(29)が8回の1イニングを0封。9回を締めた藤川との“SFコンビ”で無失点競演を決めた。矢野監督は「今のメンバーであれだけの球を投げている投手。任せたいなという気持ちはあります」と明かした。

「新8回の男」スアレスは、予行演習にうってつけの同点場面で登板。2死から二塁に走者を進められたが、宗を155キロ速球で左飛に仕留めた。球界屈指の剛速球を武器に、勝敗を左右するイニングに挑む。「どんな場面を任されても100%の準備をするだけ。任された場面で自分の仕事をするために、調整をしっかり続けていくだけだよ」と頼もしいセリフだ。

新外国人エドワーズも有力候補だったが、9日の広島戦で5連続四球を与えるなど、不安定。長丁場を見据えれば、欠かせない存在だが、5月下旬からの実戦5試合6回無失点と安定感抜群のスアレスに、大役の白羽の矢を立てた。

9回登板のベテラン藤川も盤石だ。最速147キロ速球とフォークで敵を手玉に取った。松井雅は内角速球でバットを折る一ゴロ。緩急自在で小島は低めに沈む球で二ゴロに片づけた。7月に不惑を迎えるが「40歳とは言いますけど、1年目のつもりで。これから始まる。とにかく感謝。恩返しのつもり」と気合十分。3日の広島戦は腰の張りで途中降板したが「問題なくできている」と不安も一掃。鉄壁の“SFリレー”で矢野阪神の白星を量産する。