16日に対戦を残す巨人とロッテを除くプロ野球10球団が、14日で練習試合を終了。19日の開幕に向け、12球団の監督が戦いを振り返った。

西武 辻監督、練習試合“優勝”に「勝つのは気持ち良い」

西武辻発彦監督は「昨年同様と言ったらおかしいですけど(笑い)、先発投手陣がちょっと安定感に欠けはしましたけど、打線も徐々に試合勘が出てきましたし、ケガ人もでなくて良かったかなと思います」と話した。

オープン戦に続き、練習試合でも8勝1敗1分けで“優勝”。「若い選手とかいろんなことを試しながらやっていますけど(14日ロッテ戦のように)試合の終盤にこういう形になって勝つと負けるとでは違いますから。やはり勝つということは、どんな試合でも気持ちが良いものでね」と笑顔を見せた。

西武辻発彦監督
西武辻発彦監督

ソフトバンク 工藤監督「試すことができた12試合」

ソフトバンクの工藤監督は練習試合を終え「いろいろ試すことができた12試合。これをシーズンに生かせるように」と手応えを持って話した。

チームは3月末から約10日間、活動を休止。4月9日から球団施設での自主練習を始めた。約1カ月半続いたこの期間、指揮官は投手の練習しか見られなかった。5月19日に合同練習が再開。野手の動きを見たのは3月下旬以来で「報告の通りにいい動きをしていた」と意識高く取り組んできた選手たちに目を細めた。実戦再開後も高レベルの1軍争いを展開し、充実した状態で開幕に臨む。

ソフトバンク工藤公康監督(左)
ソフトバンク工藤公康監督(左)

楽天 三木監督「整いつつある」急ピッチ調整も傷なし

楽天は主力に大きな故障もなく練習試合を完走した。3月30日から12球団で唯一チーム活動を休止。球団施設を閉鎖し、自主トレ再開も5月8日と遅かった。

三木肇監督は「正しかったのかは分からない。ただ僕たちが進んできたのは、やるべきこと、プロセスだったと思う」。急ピッチで連係を確認し、関東開催の練習試合期間はまるまる遠征。調整の難しさは人一倍だった。だがその間、ローテ候補の松井が復調するなど、むしろ駒をそろえた。「試合勘も戻ってきて、準備は整いつつある」。シーズンを戦いながら詰めていく。

楽天三木肇監督(右)
楽天三木肇監督(右)

ロッテ 井口監督「それなりに」開幕3連戦の先発に手応え

ロッテは巨人との練習試合1試合を残すが、開幕3連戦に投げる先発3枚の最終調整は終わった。井口資仁監督は「修正点はそれなりにあったと思いますけど、それなりに球数をみんな投げられてますし、開幕に向けて、しっかりと上がってきてるんじゃないかなと思います」と手ごたえを示した。

2月のキャンプを終えてから、なかなかフルメンバーにならず、現在も田村龍弘捕手と福田秀平外野手のコンディションは100%ではない。「1年間フルでできるように使っていきたい」と開幕直後も個々の状態を慎重に見極めながら戦いを進めていく。

ロッテ井口資仁監督
ロッテ井口資仁監督

日本ハム 栗山監督「若手成長の時間あった」野村、万波が結果

日本ハムは主力のコンディション維持に留意しながら練習試合を戦い終えた。

栗山英樹監督は「(小笠原)ヘッド含めてコーチの人たちが(選手の負担軽減の起用プランを)よく考えてきてくれたなと感謝してます」と振り返った。

開幕後の過密日程も見据えて中田や西川らレギュラー格は積極的休養を与え、代わりに若手を登用。野村、万波という楽しみな素材が結果も出した。開幕延期によって「若手が成長する時間があったことは間違いない」。開幕後も故障者を続出させないというテーマの中で、新たなオプションがたくさん生まれたことが収穫だった。

日本ハム栗山英樹監督
日本ハム栗山英樹監督

オリックス 西村監督「ランナーをためたときの1本」

オリックスは4勝4敗4分けで練習試合を終えた。

西村監督はここまでの実戦を振り返り「シート、紅白とやって、最初は対応できないかなというのもあったが、対応できるようになってね。欲を言えばランナーをためたときの1本。状態は良くなっているから、きょうも(安打)9本ですから。あとはどう点にからめるか」と分析した。二塁大城、遊撃安達、中堅後藤のセンターラインは決定的。この日は予定通りの休養となった大物助っ人ジョーンズを軸にする打線が山岡を援護できれば、10年ぶりの白星発進が見えてくる。

オリックス西村徳文監督(左)
オリックス西村徳文監督(左)

打撃成績