ヤクルトの球団史上最年少となる“新4番”が誕生する。当初の開幕から3カ月遅れで初陣を迎える高津臣吾監督(51)が18日、高卒3年目で昨季新人王の村上宗隆内野手(20)に今シーズンの4番を託すことを公言した。バレンティンが抜けた打線の穴を埋め、若き主砲と昨季セ・リーグ最下位からの逆襲を狙う。

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若き主砲の快音を、ファンに届ける時がきた。高津監督は「この1年間をかけて、大きく成長してほしい。そのスタートが明日(19日)であり、長い野球人生の中で、成長する大事な1日であってほしい」と思いを込めた。

弱冠20歳にして4番に指名された村上は、大役のプレッシャーをはねのけるかのような豪快なスイングをフリー打撃で見せた。球場に響くのは乾いた打球音と、無人のスタンドに打球がガツンと当たる音。右腕から15スイングで柵越え3本。左腕からは19スイングで、センター左横、右翼、右中間と3連発を含む6本の柵越えを放った。チームのため、勝利のための1発。以前、本人は「4番という打順はチームの勝ち負けに直結するような打順。何とかチームを勝ちに導けるように僕は頑張るだけ」と意識していた。

シーズンに入れば、体を痛めたり、良い時ばかりではないだろう。不調の波もくる。それでも指揮官は「よっぽどのことがない限り、外すことはない。それも4番打者の宿命。本当の4番打者に育てるためには、外すことがいいとも思わない。使い続ける覚悟でいます」と決意。日常を取り戻す幸せの音を、4番村上が鳴らす。【保坂恭子】