<イースタン・リーグ:日本ハム3-1巨人>◇20日◇鎌ケ谷

今季から就任した巨人阿部慎之助2軍監督(41)が目指す野球の一端が見えた。20日のイースタン・リーグ開幕戦(日本ハム戦)。1-3で初陣を勝利で飾れなかったが、選手たちに目指す野球を示した。

2点を追う6回。先頭打者が出塁すると、続く松原に犠打のサインを出した。1死二塁としたが、得点には至らならなかった。試合終盤で1点を返してもビハインドが続く状態で、走者を送る決断をした。「試合って勝つためにある。1点でも返せば追いつけたり、ひっくり返せるチャンスが来るんじゃないかと。『ちゃんとした野球をやっていきたい』というのが自分のモットー」と言った。

試合前に室内練習場で行ったミーティングでも、選手たちに語りかけていた。19日の夜、球団通算6000勝を挙げた1軍戦を自宅で観戦。1点を追う7回無死一塁、代打でプロ初打席に立ち、犠打を決めた湯浅の打席を例に挙げた。「喜んでたな、あいつ。ああやって代打でバントいけってある。1軍はそういうことが絶対ある。勝つために。みんなも今日から、そういう気持ちを持って1年間やってくれ」。2軍で活躍するためではなく、1軍に必要とされるには何をすればいいか。道筋を示した。

自身の現役時代の19年間にチームは1447勝を挙げた。次なる目標は、新たな1勝に貢献する選手を1軍に送り込むことだ。「1軍が優勝してほしいですし、その中にこの中から、1人でも数多くの選手が入り込んでいけるようにしっかり教育していきたい」。監督としての第2の人生が本格始動した。【久永壮真】