楽天の絶対的4番が、2年連続の本拠地開幕戦白星をつかみとった。浅村栄斗内野手(29)が23日、日本ハム1回戦(楽天生命パーク)で今季1号の先制ソロを放った。昨季に続くホーム開幕弾で同一チーム6連戦の初戦をとり、首位をキープ。三木肇監督(43)も全幅の信頼を置く打線の大黒柱が、貫禄の仕事ぶりを見せた。

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主砲浅村が仕留めた。2回先頭の第1打席。日本ハム先発マルティネスの初球、外角高めの149キロを振り抜き、バットを打球方向へ高々と突き上げた。無人の右翼席へ運ぶ、先制の今季1号ソロ。悠々とダイヤモンドを一周した。「好投手なので、ゾーンを上げて、積極的に打ちにいこうと思ってました。早い段階で1発が出てほっとしました」。昨年に続く本拠地開幕戦での1発で、チームを勝利に導いた。

昨季の主戦場は3番。今季は2日に再開された練習試合全11戦で4番に座り、シーズン開幕後も打線のど真ん中を担う。「3番に入っている時は初回に打席が回って来て、チャンスの場面が多かった。頭を整理して状況を見ながらやっていた。今年は先頭打者というケースも増えるので、塁に出ることを意識して今のところやっています」。意識の持ち方が変わっても、チームに1点でも多く還元することに変わりはない。

異例の開幕延期も、生まれた時間をプラスに捉えた。自粛期間中は自らの打撃フォームを動画で確認。課題を見つける時間に充てた。「いい状態でスタートを切れていますけど、1年間通してで言えば、打てる時と打てない時がある。1日1日で『打てなかった』という気持ちにならないようにしたい」と心身ともに充実している。

開幕前に「打の中心は浅村」と公言した三木監督は「ホーム開幕戦で4番がバチっと打ってくれてチームとしても大きかった。本当に頼りにしたい」と、改めて全幅の信頼を寄せた。首位に立つチームに、浅村の存在は欠かせない。【佐藤究】