新潟の3連勝はならなかった。福島に3-5で敗れた。ルーキーの6番ネイサン一塁手(22=東京国際大)が1回裏2死満塁から中前に先制適時打を放つなど3打数2安打、1打点。チームでただ1人、複数安打と気を吐いたが打線は散発6安打とつながらなかった。先発の海老塚耕作投手(23)は6回を8安打4失点で今季初勝利はならなかった。新潟は今日27日、福島と福島市信夫ケ丘球場で対戦する。

ネイサンのシャープなスイングが新潟ベンチを沸かせた。1回裏2死満塁、福島のNPBドラフト候補、鈴木駿輔投手(22)から中前先制適時打。6回裏は先頭打者で右翼フェンス直撃の二塁打を放った。これで23日福島戦から3試合連続の2安打。24日の福島戦の4打数2安打3打点に続いて2戦連続で打点を挙げた。

「調子は次第に良くなっている」。先制打は初球の変化球をハーフスイングした後に「目線を上げて」(ネイサン)直球を打ち返した。あとひと伸びでスタンドインだった二塁打は「前の打席で変化球を引っかけた(一塁ゴロ)。だから変化球がくると思った」と狙い通りにカーブをとらえた。冷静な状況判断と的確な読みで結果を残した。あと1本が出ずに苦しんだ打線の中での活躍を清水章夫監督(44)は「スッと打席に入れている。雰囲気がいい」と絶賛した。

全体練習後の自主トレでは素振りとティー打撃を欠かさない。試合後は自宅で動画を見直し、フォームをチェックする日々。「修正を重ねてきた成果が出ている」と手応えを感じた。成長を続けるルーキーは「今度は勝利につなげたい」と今日27日の福島戦で白星に貢献することを誓った。【斎藤慎一郎】

◆ネイサン(本名ネイサン・グルラジャニ)1997年(平9)11月4日生まれ、兵庫県出身。父はインド人。神戸・摩耶小3年の時に軟式野球を始める。上野中では少年硬式野球の神戸西シニアに所属。PL学園3年の夏は大阪大会ベスト8。進学した東京国際大では3年の秋からレギュラーで4、5番を打った。20年2月にBCリーグドラフト特別合格選手で新潟入団。176センチ、76キロ。右投げ左打ち。背番号3。

 

○…海老塚の今季初勝利はならなかった。開幕の信濃戦(20日)に続き、2敗目を喫した。1、2回は3人で抑えたが、3回に3安打、6回に4安打を集められて4失点。「球が浮いてしまった。フォームも体が開いていた。打たれ方が悪い」と反省。それでも6回は公式戦での自己最長回数。今季から先発に転向し、少しずつ対応してきた。「負け続けるのはいや。早く勝ちたい」。次回登板で白星をもぎ取りにいく。