楽天則本昂が原点に立ち返った。最速149キロの力のある直球を左右外角いっぱいへ決め込み、日本ハム打線を相手に7回10奪三振1失点。リーグ唯一の開幕2連勝を挙げた。セットポジションの新フォームも完成度を高め、簡単には崩れなかった。

マウンドでスイッチを入れ替えた。先制直後の2回1死一、二塁。日本ハムの2年目野村に変化球を5球続け、スライダーを中前適時打とされた。直後に駆け寄った伊藤投手チーフコーチから「切り替えよう」と声をかけられた。「ブルペンからよかった」と手応えのあった直球主体に切り替えた。後続の宇佐見、中島をいずれも直球で空振り三振。3回以降の7奪三振中4個を外角いっぱいの直球で決めた。「序盤は慎重になりすぎた。真っすぐが四隅の外角低めに決まっていたし(太田)光も感じ取ってくれて決め球として配球できた」とバッテリーの意思疎通もスムーズにまとまった。

先発ローテも2周目に入り、チーム初の110球超えで7回を締めた。「練習試合の最後で課題が見つかって開幕に合わせられた。無駄をなくして狙ったところにバランスよく投げられている」と新フォームも手応え十分。貫禄満点のピッチングで着々と白星を重ねていく。【桑原幹久】

▽楽天伊藤投手チーフコーチ(則本昂に)「全ての球種をしっかり操れていたね。特に真っすぐの球威、制球がともに素晴らしかった。ほぼ完璧の投球内容だったね。言うことナス!」