就任9年目の日本ハム栗山英樹監督(59)にとっても初めての屈辱だった。27日、楽天5回戦(楽天生命パーク)は投手陣が打ち込まれ、4-18の大敗を喫した。3点を勝ち越した直後の5回、加藤が与四球から乱れて途中降板すると、2番手の玉井が3ランを浴びるなど、この回だけで10点を失った。1イニング2桁失点は、04年の本拠地移転後初。記録的な黒星で、6連戦となる今カードの負け越しも決まった。

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終わってみれば、残酷な結果となった。監督生活9年目。初めて味わう1イニング2桁失点に、栗山監督は「全てを生かして、明日から頑張る。やられたら、やり返すしかない。全てをひっくるめて、取り返せるようにやっていくしかない」。短い言葉に、悔しさがにじんだ。

同点で迎えた5回の攻防が、すべてだった。当たりが止まっていた3番近藤の適時打、4番中田の1発で3点を勝ち越し。役者はそろって、流れは最高…のはずだった。

暗転したのは、直後の守備だ。加藤が四球と2連打で1点を返され、4番浅村を迎えたところで降板。無死一、三塁の大ピンチでマウンドに上がった玉井は、初球の内角143キロを左翼席へ運ばれ、その後も悪い流れを食い止めることができなかった。この回だけで、10失点。04年に北海道に本拠地を移転後、ワースト記録となった。

緊張の糸が切れたように、19安打18失点と投手陣は総崩れ。この日登板の6投手のうち、無失点でしのいだのは村田だけだった。

攻撃も6回以降は1人の走者も出せなかった。主将の西川は厳しい言葉で、現実に正面から向き合った。「みんな一生懸命やっているので仕方ないこともあるけど、僕たちはプロ。それでは、済まない。このような試合をして、ファンに申し訳ない。お客さんが球場に戻ってきた時に、こんな姿を見せられない」。屈辱的な敗戦は、きっと成長の糧となるはずだ。【中島宙恵】

▽日本ハム玉井(浅村に逆転3ランを浴びるなど6失点で今季初黒星)「ホームランだけは打たれてはいけない場面で、やってはいけないことをしてしまいました。試合を壊してしまい申し訳ない気持ちです」