出口はどこだ? 阪神打線が打てない。中日投手陣に完封リレーを許し、直前のDeNA戦から17イニング連続無得点。矢野燿大監督は「突破口が見えない」と苦しい現実に青息吐息。

首位巨人と早くも5・5ゲーム差。試合消化数の違いはあれど、阪神が過去優勝したシーズンで最大逆転は6・5差まで。いやなデータが忍び寄る。

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シーズン2度目のゼロ封負けを喫した。先発青柳晃洋投手が6回1失点と力投も援護できず。矢野監督は「ゴロをよく打たせて、らしいピッチングができたと思う。打線が打てないので、それに尽きるよね」と力なく話した。チームは開幕から10試合を終えて2勝8敗。借金は今季ワーストを更新して6まで膨らんでしまった。

虎打線がまるで金縛りにあったようだ。特徴的だったのは、結成3試合目となった「MBS」トリオ。4回には1死から4番ジェフリー・マルテ内野手、5番ジャスティン・ボーア内野手が連続で四球を選んで1死一、二塁の好機をつくったが、6番ジェリー・サンズ外野手が中日柳裕也投手のカーブを引っかけて最悪の三ゴロ併殺。6回は1死一、二塁で、マルテが三ゴロ併殺。中軸の助っ人野手3人が11打席1安打では、打線に爆発力は生まれない。

ゼロ地獄が続く。6月28日DeNA戦の2回から17イニング連続無得点。この日も得点圏に走者を4度置いたが、本塁どころか三塁すら踏むことが出来なかった。今季最多の3併殺打が歯がゆさを強める。矢野監督も「これだけみんな悪いとね…。ちょっと…」と言葉が続かない。チーム打率は12球団ワーストの2割1厘。貧打解消の糸口が見えない状況で、指揮官は必死に前を向く。

「明日も試合がもちろんあるんで。何か変えたいんやけど、なかなか突破口というのが見えない状況。何とか個人個人の状態を上げることがないとね」

首位巨人がDeNAを下し、ゲーム差は5・5差に広がった。阪神がリーグ優勝した過去5シーズンのうち、首位との最大ゲーム差は64年の6・5差。7月1日に阪神●、巨人○なら危険水域に足を踏み入れることになる。まだ、始まってわずか10試合。だが、異例のシーズン120試合制を考慮すれば、1つの負けの意味は大きい。打線立て直しは急務だ。【桝井聡】

▼阪神が10試合消化時点で2勝8敗は、球団ワーストタイ。過去2度あり、63年は3位と巻き返したが、91年はそのまま最下位に沈んでいる。

▽阪神井上打撃コーチ マルテやサンズも、ボールを狙っていた結果が三塁ゴロになっている。そこを問い詰めると、今度はバットが出なくなる。もちろん勝ちにこだわってやっている。最終的に投手が打たれたが小まめに1点、2点と入れられない野手のせい。絶好調の人間がなかなか出てこないのが、こういう結果になっている。何かのキッカケをつかむまで、我慢。中途半端でちゃらんぽらんな練習をして、全然何もしてないのならば仕方ないが、みんながやることをやっている。そういうところは見てきている。見守る側としては、我慢してあげないといけないと思う。