日本ハム近藤健介外野手が、値千金の同点打を放った。1点を追う4回1死一塁。左中間を破る適時二塁打で、試合を振り出しに戻した。発奮する理由があった。「僕も、いい投球をしてくれてうれしい気持ち。勝たせてあげたかった」。入団同期の上沢が先発し、復帰マウンドで好投。人一倍、燃えていた。

上沢とはグラウンドではもちろん、ともに第1子の長女が昨年度(上沢は昨年11月、近藤は今年3月)に誕生するなど、公私で強い絆で結ばれている。骨折した左膝のエックス線写真を見せてもらい「本当に治るのか、僕も不安があった」と気にかけていた。「特別な思いは常に持っている。上沢が投げる試合は、何としても勝たせてあげたい」と一層、強い思いが宿っていた。

中軸の役目を果たしている。打率2割1分2厘ながら、得点圏打率は5割。「つなぐ意識は持っていた」と出塁率も3割9分5厘と高い。持ち前の選球眼は、今季も健在。10四球は両リーグトップに立つ。「(上沢の)次の登板には、しっかり僕も調子を上げて貢献出来るようにしたい」。日本ハムの3番は、ここ一番で快音を奏でる。【田中彩友美】