金メダルへのロードマップを再び描く。侍ジャパン稲葉篤紀監督(47)が17日、札幌市内で1年延期となった東京オリンピック(五輪)へ契約延長要請を井原敦強化委員長から受け、受諾した。新型コロナウイルスの感染拡大で視察や強化試合設定など不透明な状況は続く。それでもプレミア12優勝の土台を堅持しつつ、若手の台頭も期待し、新たな1年の月日を悲願のためにささげる。

  ◇   ◇   ◇  

侍ジャパンは五輪を稲葉体制の1つの区切りにする。3月24日の五輪延期決定直後から電話で契約延長の意向を指揮官に伝えていたが、感染拡大やプロ野球の開幕問題もあり、正式要請はこの日となった。契約期間は同五輪まで。来年3月に予定されていたWBCは23年への延期が濃厚だ。井原強化委員長は「東京五輪金メダルを目標とする契約でお願いした。1つ1つ目標を持って代表チームを編成、強化をやっていただくことになる。23年WBCになると先の別の目標なので話は別になる」と示した。

<稲葉監督のこれまで>

17年7月31日 小久保監督の後任として、代表監督に就任。

17年11月 アジアチャンピオンシップで初陣。3戦全勝で初優勝。

18年10月 U23代表を率い、U23W杯(コロンビア)に出場。決勝で敗れ、2連覇ならず。

11月 日米野球でMLBチーム相手に5勝1敗。2大会連続3度目の勝ち越し。

19年11月 プレミア12で宿敵韓国との決勝に逆転勝ちし、初優勝。主要国際大会での10年ぶりVに思わず男泣き。

20年6月 NPBが、21年に延期となった東京五輪までの監督続投で基本合意していると明かす。

◆稲葉篤紀(いなば・あつのり)1972年(昭47)8月3日、愛知県生まれ。94年ドラフト3位でヤクルト入団。04年オフにFAで日本ハム移籍。06年日本シリーズMVP。07年首位打者、最多安打。08年北京五輪、09、13年WBC日本代表。ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞5度。