巨人は「足のスペシャリスト」の勝負手が実らず、連敗を喫した。1点を追う8回。無死からウィーラーが内野安打で出塁すると、原監督は代走に今季8盗塁の増田大を送った。マウンドのパットンからは、前日にけん制球を11球投げさせた末に二盗を決めていた。

代走のコールとともに打席にパーラを迎えた場面で、DeNAベンチはわずか5球で降板させて石田にスイッチ。目まぐるしく試合が動く中、右前打で無死一、三塁とチャンスを広げ、1死後に代打陽岱鋼を送った直後だった。1ストライクからの2球目。一塁走者パーラがスタートを切り、一、二塁間に挟まれる。挟殺プレーの間に、タイミングを計った三塁走者増田大が頭から突っ込んだが、アウト。本盗はならなかった。

原監督は「うーん、そうですね。少し何て言うか、選手を焦らせたかなというのはありますね」と責めず「でも我々の野球だから、それはね」と続けた。6回は2死三塁から吉川尚が二遊間の打球にヘッドスライディングを決めて、泥くさく先制点をもぎ取った。チーム盗塁数23はリーグ2位。豪快な本塁打だけではなく、足も絡めて攻めるスタイルを貫いたが、結果にはつながらなかった。

残塁は今季最多の12。2回から3イニング連続で得点圏に走者を進めながら、本塁が遠かった。指揮官は「なかなか1本が出なかった。でも必死にやっている姿というのは、このまま継続すればいいと思いますね」。戦い方は変えず、広島戦から連敗ストップに仕切り直す。【前田祐輔】

▽巨人原監督(7回途中2失点のメルセデスについて)「まあ1点取られたのは仕方ないとしてね。もう一踏ん張りというところでしょうね。しかし、相変わらず調子そのものはいいと思います」