ウル虎キャッチ、出た! 阪神のジェリー・サンズ外野手(32)が左翼守備で魅した。

3-3の延長10回1死一、二塁。DeNA大和の飛球を背走して捕球し、二塁走者を中継プレーでアウトにするスーパー併殺。失点の危機を救った。3点を追い付かれる展開で救援陣も無失点リレーでしのぎ、当日移動の甲子園で何とか引き分けた。この日から始まった恒例企画「ウル虎の夏」で巻き返しや!

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定位置より前に守っていた左翼サンズが懸命に後ろへ下がる。15歩近く走り、左手のグラブを必死に伸ばした。同点の延長10回1死一、二塁。大和の大きな打球をつかんだ。抜けていれば、勝ち越される一打をくい止めた。中継で二塁にボールは送られ、左翼越えを確信していた二走・倉本も悠々アウトに。ビッグプレーでの併殺完成に一塁側ベンチでは、矢野監督がガッツポーズを繰り出していた。

矢野監督 いやもうあれはね。超スーパープレーだと思います。

さらに言った。

矢野監督 サンズのあのプレーは、本当に何打点にもなるし、引き分けに持ち込めたっていうのはあのプレーなので。前進プレーでね。前に来てのあのプレーだからめちゃくちゃ難しい。

毎年夏の恒例イベント「ウル虎の夏」の初日から「ウル虎のスーパーキャッチ」が飛び出した。

サンズ ランナーを絶対にかえさないという気持ちで追いかけた結果、捕ることができて良かったよ。ランナーを刺すこともできたし、大事な場面で点を与えることがなかったので良かったよ。

必死の継投も救う美技となった。7回表、矢野監督は勝負に出ていた。2点リードで迎えたこの回、先発青柳が1死一、二塁から代打山下に左前適時打を打たれ、1点差に迫られた。1死一、二塁で打者は梶谷。青柳は球数90、被安打5と好投していたが、梶谷との通算の対戦成績は12打数9安打(打率7割5分)となっていた。2番手に送り出した馬場は、梶谷を空振り三振に仕留めたものの、次打者オースティンに同点の左前適時打を打たれた。

それでも馬場はソトを三振に斬り、8回ガンケル、9回スアレスといずれも得点圏に走者を背負いながら勝ち越しを許さなかった。10回に登板したのは藤川。今季2度目の延長戦に突入した1点を争う展開で誰もが踏みとどまった。

勝てはしなかったが、負けもしなかった。矢野監督は「何とか引き分けに持ち込めたんで、前を向いて、明日勝ちにいきます」。8月初戦で今度は勝利をつかみ取る。【松井周治】