道産子右腕・日本ハム玉井大翔投手(28)が、プロ4年目で初セーブを挙げた。8日、西武8回戦(札幌ドーム)は1点リードの8回2死満塁でマウンドへ。外崎を生命線のシュートで捕邪飛に打ち取ると、9回も三者凡退に抑えた。チームは3連勝で、6月22日以来の貯金1となった。

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勝負の分かれ目で、堂々とマウンドに立った。1点リードの8回2死満塁。玉井が出番を迎えた。「いつも通りは心掛けて。その中でも、やっぱり意識した部分はあって。いつもより緊張しました」。ポーカーフェースの裏に緊張感をしまい込み、生命線のシュートで攻めた。この日2打点の外崎を145キロで詰まらせ、捕邪飛。2球でピンチを断ち切った。

勢いそのままに9回もマウンドへ。疲労を考慮されベンチを外れた秋吉に代わり、試合前から白羽の矢が立っていた。3者凡退で危なげなく試合を締めると「…疲れました」とポツリ。「秋吉さんは、いつもあんな場面で投げているんだなと、すごいなぁと、あらためて思いました」。先輩の仕事ぶりに敬意を表しながら、初セーブを手にした。

プロ4年間で地道に積み上げてきた信頼。入団当初から先発、中継ぎ問わずフル回転してきた。昨季はチーム最多65試合に登板。今季は「右の強打者キラー」として、重要な場面を託されてきた。主にブルペンを担当する武田投手コーチは「右左(打者)関係なく、シュートを軸にいい球を投げられる。宮西、秋吉の前(を投げる)の勝利の方程式になるんだという、本人の強い意志を感じています。これでまた玉井という新しい、うちにとっては武器になったと思います」と投手力アップを実感した。

玉井は「シーズンに入る前から、何とか食い込んでいけるようにと意気込んでやってきた」と目標にしてきた。宮西の投球を参考に、間の取り方を勉強。18年オフから意識する右打者を内角高めで詰まらせる投球は、強みとなっている。涼しい顔で内角をえぐり、チームの危機を救っていく。【田中彩友美】