法大が延長戦を制して開幕3連勝とした。1-1のままタイブレーク(無死一、二塁から攻撃)採用の延長に突入。10回に1点ずつを取り合い互いに譲らない。法大は12回に1点を勝ち越すと、その裏、7番手の投手に野尻幸輝外野手(2年=木更津総合)を起用。わずか4球で無失点に切り抜け、勝利をもたらした。

青木久典監督(47)は「最後の最後に行くよ、といっていた。もう1人投手が残っていたが、タイブレークを考えたら、野尻の守備力が上」と判断した大胆起用だった。狙い通り無死一、二塁からの守りでは、投手前の送りバントを素早い処理で併殺に仕留め、最後の打者は143キロの速球で一飛に打ち取った。

高校時代は投手。日本代表にも選出された。肘を痛めたこともあり、法大入学後は野手を志望、外野手として登録された。オープン戦の登板はないが、それでも打撃練習やシート打撃では投手役を務めた。野尻は「監督から抑えで行く、といわれて9回から準備はしていました。投げるのは日本代表の香港戦以来。必死に投げました」と話した。

◆野尻幸輝(のじり・こうき)00年10月6日生まれ。岐阜県出身。中学時代は岐阜選抜に選ばれ、根尾(現中日)がチームメートだった。木更津総合に進み、2年夏は5番三塁、3年夏は背番号1で甲子園に出場した。法大では外野手。今リーグでは3打席に立ち3打数無安打。178センチ、92キロ、右投げ左打ち。