ロッテは香月一也内野手(24)と巨人沢村拓一投手(32)との交換トレードが成立したと7日、発表した。沢村の背番号は未定。

香月は「入団をして6年、マリーンズで活躍できなかったことに関してはすごく悔いがありますが、応援してくださった皆様、お世話になった皆様にはジャイアンツで頑張る事でいい報告が出来ればいいなあと思っています。応援してくださいました皆様、本当にありがとうございました。チームは変わりますがこのチャンスを生かすべく貪欲に、精一杯、頑張ります」とコメントした。

「沢村復活」へ、ロッテは申し分のない環境だ。開幕から8回を任せていたジャクソンから7月8日に契約解除の申し出があり(9日に正式に契約解除、10日に大麻所持容疑で逮捕され、その後不起訴処分)、フロントもリリーフ補強に動いていた。

試行錯誤を経て、現在は7回唐川-8回ハーマン-9回益田の必勝リレーが固まっている。8月に限ると3人の右腕の防御率は0・53という盤石ぶりだ。

それでもリリーフを補強する訳がある。首位ソフトバンクと優勝争いをするロッテは、シーズン終盤に向けて、首脳陣がリリーフ陣の登板管理を徹底してきた。「3日連続登板」「1週間で4度登板」を回避し、コンディション維持と故障防止に努めている。3日の西武戦から4日、5日のソフトバンク戦にかけ、守護神益田が3日連続で登板したのが今季初の事例だった。3連戦3連勝をかけた6日の試合で益田の4連投はなく、唐川とハーマンが2点差の終盤2イニングを締めた。

優勝争いはこれからが本番。リード時に、3人のうち1~2人が投げられない試合は今後、ますます増える。誰が「4人目」になるか。東妻、小野、東條の右腕勢に、山本、永野の左腕勢が奮闘を続けるが、まだ抜群の安定感はない。経験豊富な左腕松永も2軍調整が続く。重要な4人目に沢村がはまれば、僅差の勝利が多いロッテにとって、逆転優勝への大きな原動力となりうる。

ロッテには中大時代の2年先輩・美馬がいる。昨オフに楽天からFA移籍で入団し、チームにすっかりなじんでいる。中大時代の1年後輩、スラッガーの井上も中心選手の1人。巨人一筋で10年目、その半ばでの新天地は、沢村の力を発揮しやすい環境でもありそうだ。【金子真仁】