今年のドラフト会議は10月26日に開催される。今回の猛虎リポートは、ドラフト候補選手について、虎番キャップ松井周治と、かつてアマ野球キャップを務めた阪神担当磯綾乃が語り合った。

昨年阪神は高校生中心の指名となったが、今回はどんな選手と巡り会えるだろうか。虎番も運命の日を楽しみにしている。

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松井 今年もあと2カ月弱でドラフトだな。今年のドラフト注目選手を探ろうというのが今回のテーマ。その前に、まずは目玉選手をおさらいしておくか。

磯 任せてください。アマ担当だった経験も生かして紹介していきますので! やはり、地元スラッガーが注目されていますよね。さすがに松井さん、知ってますよね? 小学生の時はタイガースジュニアにも選ばれていた選手。OBになぞらえて「糸井2世」とも呼ばれていますよ。

松井 …。近大の佐藤輝明内野手だよな。外野も守れるんだろ。阪神は投手、捕手、内野手、外野手の4分類で見ると、外野手の平均年齢が29・5歳と一倍高い(※注。また、外野手12人で、外国人選手は1人、外国人選手のぞく平均年齢は29・3歳)。10代~20代前半まで、24歳以下の占める割合で見ても16・7%(※注)。強打で外野を守れる選手は阪神としても欲しいところだろう。ま、それくらいのデータは磯も知っているだろうが。

磯 …。投手で上位が有力な選手は知っていますか?

松井 任せた。

磯 155キロ左腕の早大・早川隆久、右投げでは慶大・木沢尚文、日体大・森博人は各球団チェックしている存在だと思いますよ。社会人でいえばトヨタ自動車・栗林良吏が代表格ですかね。名城大時代から注目されていましたよ。

松井 スラスラ出てくるな。高校生は明石商・中森俊介、福岡大大濠・山下舜平大、智弁和歌山・小林樹斗といったところか。あとはプロ志望届は提出されていないが中京大中京・高橋宏斗の動向も注目されているようだな。

磯 小林投手は、元阪神の中谷仁監督に育てられていますし、楽しみですね! でも、地方大学にもいい投手はいますよ。苫小牧駒大・伊藤大海投手は、最速155キロで上位候補の評価を受けていると思います。順位は別にして、東北公益文科大・赤上優人投手も評価が高そうです。

松井 やっぱり東北からは毎年、好投手が出るな。他に注目している選手はいるか? 個人的には亜大の平内龍太投手が気になるな。阪神高橋の後輩にあたるし、元ソフトバンク永井智浩(現編成育成本部長兼スカウト育成部長)のおいらしい。現役時代に取材していたけど、いい選手だったもんな…。

磯 へえ~、時の流れを感じますね。私は、おかやま山陽の漁府輝羽(ぎょふ・こうは)外野手に注目していました。8月末に甲子園で行われたプロ志望高校生の合同練習会で、レフトへ本塁打を放ったそうです。阪神の本拠地で結果を残しましたし、全国で20人ほどしかいないという珍しい名字は忘れられないですよね。甲子園といえば、交流試合に出場した履正社の関本勇輔捕手も。3イニング連続盗塁阻止の強肩に、大舞台で活躍する姿はお父さんの関本賢太郎氏譲りですかね。あとは、瀬田工の小辻鷹仁投手。電気工事士の資格を持っている最速146キロ右腕です。

松井 全国にはいろんな選手がいるんだな。地元兵庫、明石商の来田涼斗外野手もいい選手だろうし、さあ、誰が虎の未来を担ってくれるか、どんな指名になるのか…ドラフトの日が楽しみや!

【※注】今回の猛虎リポートにあたり、阪神の投手・捕手・内野手・外野手の4分類で平均年齢を算出した(いずれも今季支配下登録選手、外国人選手も含む、今年の満年齢での計算)。平均年齢が高い分類から並べると、<1>外野手(平均29・5歳)→<2>投手(同27・69歳)→<3>捕手(同27・42歳)→<4>内野手(同26・92歳)。ただ、投手陣の平均年齢は2番目に高いものの、20代前半までの24歳以下選手がその分類に占める割合をみると最も高く、若い選手も多い。24歳以下の占有率が高い順は、<1>投手(25%)→<2>内野手(23・1%)→<3>外野手(16・7%)→<4>捕手(14・3%)。