ソフトバンク森唯斗投手(28)が今季26セーブ目を挙げて通算100セーブを達成した。

3-0の9回を無失点で締め、2位ロッテとの直接対決で節目を飾った。森は8月に通算100ホールドをクリアしており、史上6人目、同一年では初となる「100S+100H」を達成した。チームは苦手のロッテに連勝し、6連戦を含めて5カード目で初の勝ち越し。2ゲーム差を付け、V奪回へ勢いづいた。

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森はいつものように仕事を終え、歓喜の輪の中心になった。9回。先頭井上に安打されたが、後続をきっちり抑えて無失点。今季26セーブ目で通算100セーブに到達した。102ホールドと合わせて「100-100」は鉄腕にふさわしい快挙だ。「一番はケガしてないことじゃないですか。ずっと投げ続けないとこういう数字は難しいと思う。そう考えると、大きな離脱なくやってこられたと思う」と胸を張った。

入団からここまで止まらずに投げ続けてきた。1年目の14年から6年連続で50試合以上に登板。18年からは故障したサファテの代役で抑えを務める。今月8日に国内FA権の資格取得条件を満たしたが、昨オフにはそれも見越して推定年俸4億6000万円の4年契約を結んだ。投げ続けることの価値を球団が高く評価している表れだ。森自身は「意識は変わらない。1年1年が勝負だと思っている。止まったらマグロと一緒のように死んでしまう」と変わらず腕を振り続ける思いを持っている。これが今季43試合目で、7年連続50試合もクリアしそうだ。

精神面でもブルペンの柱になった。昨年新人でセットアッパーを務めた甲斐野をはじめ、今季は泉や高橋礼ら、ここ数年で若手が次々に救援として活躍。皆が口をそろえ「森さんの準備の仕方などを見て、聞いて勉強しています」と言う。甲斐野は今年1月の自主トレに同行させた。他球団からも、森の考えや姿勢を学びたいと弟子入りする選手が出てきた。

必勝を期した一戦、工藤監督も執念継投で挑んだ。3点リードの6回に泉、嘉弥真、高橋礼の3人を投入。7回は岩崎、8回モイネロが無失点でつないだ。今季のブルペンをともに支えてきた仲間からバトンを受け取り、最後を森が締めた。宿敵ロッテに2ゲーム差を付け、優勝争いはラストスパートの段階だ。鷹の守護神は「このポジションは誰にも譲らない。残り試合は少ないので、全部投げるつもりで準備します」と力強く、さらなるフル回転を誓った。【山本大地】

▽ソフトバンク中村晃(3回、先制の適時二塁打) 打ったのはツーシームだと思います。チャンスだったし、何が何でも先制するという気持ちをもって打ちにいきました。