プロ志望届の提出が12日、締め切られた。この日までに高校生216人、大学生158人が公示された。

提出者は、26日に開かれる「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」の指名対象となる。運命の日を2週間後に控え、12球団の現状をまとめた。

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【巨人】1位の筆頭に近大・佐藤を挙げる。8月の編成会議後、大塚球団副代表は「1位は即戦力の野手。外れたらピッチャー。昨年、一昨年と高校生中心だったので、今年はピッチャーも即戦力」と説明。即戦力中心に5~6人指名し、育成も約10人指名する予定。

【DeNA】「左腕王国」も今季は今永、東が手術。大学NO・1左腕の早大・早川は有力候補となる。経験豊富なBC・埼玉の田沢も高評価。野手では11日に三原球団代表が近大・佐藤を視察。昨年は高卒野手3人を指名しただけに、即戦力を指名する方向か。

【阪神】昨年は1位から5位まで将来性豊かな高校生を指名したが、今年は即戦力の野手と投手が中心になりそうだ。1位候補には近大・佐藤、早大・早川、トヨタ自動車・栗林らが挙がる。地元兵庫出身の佐藤にはスカウトが集結し、ひときわ熱視線を送っている。

【広島】1位候補はトヨタ自動車・栗林、早大・早川を筆頭に、福岡大大濠・山下、中京大中京・高橋ら高校生右腕も高評価。白武スカウト部長は、10日のスカウト会議後に「チームとしては即戦力の投手だろうけど、素材型で面白い選手もいる」と明かした。

【中日】当初は即戦力に重点を置いていたが、地元出身の超高校級投手、中京大中京・高橋を軸に検討する。野手では近大・佐藤、投手では地元出身のトヨタ自動車・栗林、与田監督の母校、木更津総合出身の早大・早川らも調査。13日に編成会議を行う。

【ヤクルト】候補80人強をリストアップ。1位には、即戦力投手の指名をする方針だ。候補には早大・早川、慶大・木沢、トヨタ自動車・栗林らが入っている。層の薄い捕手、外野手の獲得もポイントになる。例年よりも多く育成選手を指名する見込み。

【西武】近大・佐藤が1位指名筆頭候補。競合必至の佐藤を1位で獲得できた場合、2位以下は投手中心に補強していく。9月28日の編成会議後、渡辺GMは補強ポイントに投手を挙げ「長い目で何年か後という考え方もある」とした。即戦力から高卒まで幅広く指名することになりそうだ。

【ソフトバンク】チーム編成としては野手補強が課題。特に内野手はベテランが多く、将来の大砲候補などがドラフト戦略の中心となる。1位候補には近大・佐藤らを検討しているが、投打限らずその年の「いい素材」を狙う方針もあり、今後絞り込みを進める。

【楽天】投手中心の指名となりそうだ。石井GMは捕手の田中貴を巨人からトレードで獲得し「優先して獲得したいポジションがある。捕手に使う枠がない」と言及。18年は外野手辰己、昨年は内野手小深田を1位指名。手薄な左腕を求め早大・早川らが候補となる。

【ロッテ】昨季は1位で佐々木朗を獲得。3年後を見据えると、若手右腕は充実気配。今年は小島に続く左腕の補強が必須。競合必至ながら、即戦力候補で地元千葉出身でもある早大・早川が1位指名の有力候補になる。左の安田、藤原らと競える右打者も必要だ。

【日本ハム】打者有利の新球場開業を3年後に控えており、希少なパワーとスピードを兼ね備えたスラッガーである近大・佐藤が1位入札の有力候補。即戦力左腕の早大・早川や、右腕ではトヨタ自動車・栗林や道産子の苫小牧駒大・伊藤らも1位候補に挙がる。

【オリックス】投手なら早大・早川、中京大中京・高橋、野手なら近大・佐藤が1位筆頭候補に挙がる。山岡、山本、田嶋が軸の先発陣をより強固にするなら即戦力の早川か。正三塁手の補強を優先するなら佐藤が最有力。13日に中嶋監督代行も出席して会議を行う。