宮城第3代表の日本製紙石巻(石巻市)が5-2で、同第1代表のJR東日本東北(仙台市)に逆転勝ちし、3年ぶり5度目の東京ドーム切符をつかんだ。代表決定戦の悔しさと怖さを知るベテランたちが活躍。過去2年間で計4度の代表決定戦で負け続けてきた悔しさを晴らした。

崖っぷちから、今大会6試合目で重圧から解放された。選手たちは新パフォーマンス「ダイナウエーブ」を連発して喜びを爆発。前田直樹監督(42)は「この2年間、危機感を持ってやってきたのでホッとしている。やってくれた選手がすごい」とたたえた。

同点に追いついた直後の6回裏1死一、二塁、7番DH小野悠介内野手の(28=東日本国際大)の右前打で二塁走者の篠原拓也主将(28=同志社大)が勝ち越しのホームイン。体調を崩し、本大会初先発の小野は「ここまで引っ張ってくれた篠原を胴上げしてやりたかった」と援護。その思いに応えるように本塁ヘッドスライディングの篠原主将は「無意識で頭で行っちゃいました。気持ちを切らさず、つなぐ意識が6回の集中打につながった」と興奮。

投げては3投手の継投で強力打線を2安打2失点(自責0点)に抑えて逃げ切った。目指すは13年全国8強のチーム記録更新。コロナ禍の中、篠原主将は「石巻の力になって元気にしたい」。前田監督は「メンタルもタフになって成長した。まず初戦ですが、最終的にはベスト8を目指したい」と全国に乗り込む。【佐々木雄高】