今季限りで現役を引退する阪神藤川球児投手(40)が1軍に再合流し、出場選手登録された。引退表明後は初の1軍舞台。ラストシーズン残る試合は22試合となった。

「もちろん残りの1試合、1試合でファンの人たちにも見せたいものもありますけれど、自分自身が1つ1つのこの球場での光景というのを、これがもう最後になるのでかみしめたいという思いはあります。今までは目の前の試合に立ち向かってきて、目の前のことで必死だったから、試合中に『昔こんなことあったな』とか考える余裕もなかったですけど『今日で名古屋最後だな』とか、そういう感情は自然と浮かんでくると思うので。そういうように考えてしまうのではないかなと。辞めると言ってからいろいろな人に『楽しめよ』と言っていただきましたけど、その意味が少し分かってきました」

昇格即登板となれば、8月10日DeNA戦(横浜)以来66日ぶりの1軍登板となる。「投げることについては今まで通りの目線で見てもらえればいいし、うそ偽りのない今の自分の姿がそのまま出ると思うので。どんな姿でも最後までチャレンジするということをみなさんには見てもらいたいですね」と意気込んだ。

8月13日に右上肢のコンディション不良で出場選手登録を抹消され、約2カ月の2軍調整。10月1日ウエスタン・リーグのオリックス戦(鳴尾浜)で実戦復帰し、1回を1安打無失点に抑えていた。11月10日巨人戦(甲子園)には、引退セレモニーの開催が決まっている。

この日はナゴヤドームに姿を見せると、中日の与田監督や荒木コーチらにあいさつ。練習前には投手陣の円陣であいさつした。キャッチボールなどで体を動かし、合間には藤浪らチームメートとも言葉を交わしていた。背番号22の勇姿から、目が離せない。