ロッテ松本尚樹球団本部長(50)は15日、新型コロナウイルス陽性判定を受けた岩下大輝投手(24)らの行動に関する一部週刊誌報道について、9月末の札幌遠征時に岩下らが外食した事実を認めた。6日の記者会見では「誰1人行っていないです」と外食を否定しており、発言に食い違いがあったことを謝罪した。岩下は15日、保健所の許可を得た上で他4選手とともに2軍練習に合流した。

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選手、スタッフ14人が新型コロナウイルスに感染したロッテ。最初に発表された岩下の行動に関する発言において、齟齬(そご)があった。

大量の感染者が出たことを受け、松本本部長は6日に会見。9月29日からの札幌遠征期間中、外食に出た選手について「誰1人、行っていないです」と答えた。しかし一部週刊誌が、岩下ら選手4人が、試合前日の同28日に札幌市内の飲食店で外食したことを報じた。同本部長は「言い方が悪い部分もありました」と外食していたことを認め、謝罪した。

球団は以前から選手、スタッフに行動記録の報告を義務づけており、岩下らの外食も把握していた。遠征では、その期間の都市の感染状況に応じ「外出禁止」「4人以内、部外者が入らないならOK」などとルールを定めてきた。報じられた9月末は「4人以内~」のルールが設けられていた。6日の記者会見で「それを破ったことは今回もない」と明言していた同本部長は「4人以内というルールを破った選手はいなかった」とあらためて強調した。

当初は5日夜に会見予定だった。PCR検査を経ての保健所との協議に時間を要し、1日遅れでの報道対応となった。同本部長は対応への混乱があったことも認め「1個1個の質問に答えていたので、そこに誤解も多少あったところもあるので」と「誰1人~」発言を悔やんだ。

行動記録は各自が管轄の保健所に申告し、感染経路を特定する協議が続いた。6日の会見で同本部長は「感染経路は全く分からない。そういう状況です」と説明。報道された会食と感染の因果関係は、立証されていない。

保健所からの許可を受け、陽性と判定された岩下、鳥谷、荻野、清田、三木の5選手が、ロッテ浦和球場での2軍練習に合流した。代わって1軍に上がった2年目藤原らの頑張りで、チームは優勝争いに食らいついている。態勢を整え最後の勝負に集中する。【金子真仁】