今季限りでの引退を表明した広島石原慶幸捕手(41)が16日、マツダスタジアム内で引退会見を行った。黒のスーツに赤いネクタイを締めて会見場に姿を現し「今シーズンをもって、引退することを決めました。今までありがとうございました」と穏やかな表情であいさつした。

今季は7月15日にケガなどの理由以外ではプロ1年目以来の2軍降格を味わった。8月8日に1軍に昇格しても出場機会が増えることはなく、引退を決意した。「自分がチームのためになっているのか、なっていないのかを自分なりに考えて。野球選手として、チームの力になれないのであれば引退しないといけないと思っていた。そういう理由で引退することに決めました」。世代交代を推し進めるチームのため、石原慶らしい引き際だった。

01年にドラフト4巡目で広島に入団し、長い低迷期にいたチームを正捕手として支えた。「責任を感じ、申し訳ない気持ちも持っていた」。15年の黒田氏、新井氏の復帰を機にチームは大きな変化を遂げ、16年に25年ぶり優勝。正捕手であり続けた石原慶は、胴上げ捕手となった。「3連覇させてもらいましたけど、その中でも25年ぶり優勝が印象深い。3回ともうれしさはありますけど、一番記憶に残っています」。

今季はここまでわずか3試合の出場にとどまり、8月28日には左足を痛めて出場選手登録抹消となった。現在もリハビリ段階で「やっと走ることができてきたところです」と話し、11月7日阪神戦の引退試合に向けて「全力で走れるようにリハビリして頑張ります」と笑った。最後まで穏やかな表情で引退会見を終えた。