積極性+左腕克服=5戦連発! DeNA佐野恵太内野手(25)が、5試合連続の20号ソロを放ち、球団記録に並んだ。1点を追う8回無死、巨人大江の初球を右翼席へ。前4番のレイズ筒香もなしえなかった快挙を達成し、77年田代(現チーフ打撃コーチ)08年村田ら5人のスラッガーと肩を並べた。

肌寒い夜のハマスタが一気にヒートアップした。140キロの直球を完璧にはじき返す起死回生の同点弾。小さくガッツポーズして悠然とダイヤモンドを周回すると「左ピッチャーの初球を打てたことは、すごくよかった」と納得の表情。偉大な先輩たちに並ぶ記録に「すごくうれしいですし、打ててビックリしています」と控えめに喜んだ。

「らしさ」を取り戻した。6月から毎月、3割3分以上の高打率を維持してきたが、10月は打率2割台前半。13日の試合前、ラミレス監督からの助言でわれに返った。「ヒットを欲しがって当てにいくのではなく、強いスイングで外野の間を抜いていくことを心掛けるように言われました」。首位打者のタイトルが現実味を帯びても、持ち味の強振をあらためて意識した。

苦手の左腕も克服している。昨季は左に対し2割5分8厘、0本塁打。今季はここまで3割3分6厘、6本塁打。要因を問われると「練習からコーチや左の打撃投手に変化球を交えて投げてもらったりしています。みなさんに感謝しています」と謙虚に話した。通算380本塁打のラミレス監督も「技術的なところも大きい。しっかりテークバックして、レベルスイングで、インサイドアウトができている。しっかり芯に当たって、いいスピンで打球が飛ぶ」とうなずいた。

お立ち台で「6試合連続本塁打も期待していいですよね?」と水を向けられた佐野は、笑顔で「期待しないでくださ~い」と“お約束”の返答。期待せずにはいられない。【鈴木正章】

▼佐野が8回に本塁打を放ち、11日阪神戦から5試合連続本塁打。5試合続けて本塁打は昨年のバレンティン(ヤクルト)以来で、DeNAでは68年長田、77年田代、04年ウッズ、08年村田、13年ブランコに次ぐ6人目の球団タイ記録。左打者では長田以来52年ぶり2人目。