中継ぎ陣の踏ん張りが、ヤクルト浮上のポイントとなりそうだ。

阪神に今季8度目の完封負けを喫した試合後、中継ぎについての質問を受けたヤクルトの高津臣吾監督(51)の表情が、少し変わったように見えた。打線や、先発した歳内について淡々と振り返っていたが、失点を重ねた中継ぎについては、言葉を選びながら「うーん…ちょっと今日投げたリリーフの投手は、ピッチングが若いと言うか、もうちょっと勉強しないといけないかな」と話した。

歳内は、5回途中1失点で降板した。5回1死一、二塁から2番手として登板した梅野は、サンズを力のある直球で空振り三振。ボーアを変化球で右飛に抑え、追加点を許さなかった。

しかしイニングをまたいで臨んだ6回、先頭の阪神梅野にソロを浴びて1失点。

3番手寺島は味方の失策で先頭の糸原が出塁し、自責点にはならなかったものの、大山に適時二塁打を許した。

雨が強くなってきた8回を任された久保は、先頭小幡に左前打、続く代打のルーキー井上にプロ初の適時打を許した。

中継ぎ陣の失点は、いずれも先頭打者がからんだ。力のある球を投げ、将来のチームを支えるであろう若手だからこそ、要求も高くなる。高津監督は「力でいって高めを打たれるとか、考え方も含めて勉強が必要かなと思います。失点の仕方がよくない。経験だけじゃない。いろいろ自分で考えてもらわないと。練習も含めて、しっかりしてもらわないと」と厳しく指摘した。

負けている時の雰囲気を変える投球、流れを変える投球が求められる、難しい役割。守備からリズムを立て直し、攻撃につなげられる重要なポジションだ。現役時代には、守護神としての重責も知る高津監督。投手陣の立て直しを掲げて就任した1年目だけに、かける思いは強いと感じる。【保坂恭子】