東都リーグ3部からプロを目指すバッテリーがいる。東農大の近久輝投手(4年=東邦)と白石翔樹捕手(4年=大村工)の2人だ。近久は最速153キロの本格派。白石は二塁送球タイム1秒72と強肩を誇る。

ともにコロナ禍での帰省が転機となった。近久は母校東邦(愛知)で自主練習。学内で感染者が発生し、独自大会の出場を辞退した後輩たちを間近で見ていた。「試合ができるのも当たり前じゃないんだと再確認しました」。野球ができる喜びを胸に、最後のリーグ戦に臨んでいる。

白石は、実家が離島で練習相手が見つからなかったが、走り込みやウエートトレーニングに励んだことが功を奏した。「強い打球を打てるようになった」。秋のリーグ戦3試合で1本塁打と効果を実感している。

東農大北海道オホーツクで多くのプロを輩出し、17年冬から指揮を執る樋越勉監督(63)は「近久は大学時代の風張(現ヤクルト)と同じぐらい力強い球を投げる。白石は今まで教えてきた捕手たちと比じゃない。送球も良いし、長打力もあって、足もそこそこ。初めて見たときはすごい捕手だなと思った」と期待を寄せている。東都3部からのドラフト指名は異例。吉報を待ち、未来を切り開く。【湯本勝大】

◆近久輝(ちかひさ・あきら)1998年(平10)5月14日生まれ。愛知県豊明市出身。沓掛小3年時に名古屋平針HBCで野球を始め投手。沓掛中では名古屋HBCに所属。東邦(愛知)では藤嶋健人(現中日)と同学年。3年夏はベンチ外。東農大では1年春から公式戦に登板。176センチ83キロ。右投げ右打ち。

◆白石翔樹(しらいし・しょうき)1998年(平10)9月7日生まれ。長崎県対馬市出身。仁田小1年時に仁田ジュニアソフトボールクラブに所属。仁田中ではソフトテニス部に所属し、3年時にダブルスで県4強。大村工(長崎)では1年秋から正捕手。3年春は県大会で優勝。同夏は県準優勝。東農大では1年春から公式戦に出場。175センチ69キロ。右投げ右打ち。