阪神ドラフト2位ルーキー井上広大外野手(19)が、本拠地2戦目でもファンを沸かせる打球を放った。出番は7回2死一塁。代打で登場し、履正社の3学年先輩にあたる左腕寺島と対戦。カウント1-0からの2球目。真ん中高め138キロを捉えた当たりは左翼へ。角度の付いた打球にスタンドは沸いたが、左翼青木のグラブに収まり、“履正社対決”は先輩寺島に軍配が上がった。

それでも大きな拍手が送られた打席。矢野監督も「いい角度で上がってね、ガッツポーズしかけたんですけど」と笑顔で振り返る。アウトになったものの「魅力があるっていうかね、いい角度でボールもいってましたし。今日の練習でもすごくいい形で打っていた。打席を見てみたいなっていう選手」と絶賛した。

井上は出場4戦目。16日の甲子園初打席で適時二塁打を放ち、プロ初安打と初打点を記録していた。実はこの日の打席は、巡ってこなかった可能性もあったという。矢野監督は「得点圏(に走者がいる場面)だったら(代打を)健斗(糸原)でいこうと思っていたけど、打席に立てるのは『持っている』部分かもしれんし、みんな本塁打を期待しているんでね。そういう期待を持てるのはプロでは大事なこと。どんどん楽しみにしてもらって、成長していってくれたら」。将来の大砲と期待される新人のバットが、ますます楽しみになってきた。【松井周治】