東北福祉大(宮城)の投打の柱が、そろってヤクルトから指名を受けた。プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が26日、都内で行われ、仙台6大学リーグ22勝無敗のエース左腕・山野太一(4年=高川学園)が2位、大学NO・1遊撃手の呼び声高い元山飛優主将(4年=佐久長聖)が4位で名前を呼ばれた。同大学からの複数選手指名は05年に楽天1巡目松崎、7巡目井野(現ヤクルト)以来15年ぶりとなった。

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舞台を移しても、山野と元山のコンビは続く。2位指名の山野は「普段から仲がいいし、縁があるのかなと思った。うれしいです」と笑顔を見せた。3年時には公式戦70回連続無失点を記録したドクターゼロ。強みを聞かれると「打者を見ながら遅い球を投げたり、ピンチの時にはギアを上げて三振もとれる」と対応力の高さに自信をのぞかせた。同じ左腕のソフトバンク工藤監督を目標にしてきた。「日本を代表する左ピッチャーになって、子どもからまねされる選手になりたい」と意気込んだ。

大学NO・1遊撃手の呼び声が高かった元山主将は、4位指名に悔しさをにじませた。「うれしさよりも悔しい気持ちが大きい。山野に負けたくない気持ちがあった。すぐに活躍してやろうという気持ちが湧いてきた」とライバル心に火がついた。ヤクルトについては「トリプルスリーの山田さんの印象が強い。二遊間のコンビを組めたら最高ですけど、1歩1歩上を目指していきたい」と話した。ヤクルトの遊撃手は宮本慎也氏(日刊スポーツ評論家)が一時代を築いたが「宮本さんのように絶対的な信頼を得られるショートになりたい」と意気込んだ。

前夜は深夜まで山野の部屋で不安な一夜を過ごした仲良しコンビ。山野は「新人王」、元山は「世界一のショートストップ」と目標を記した。OBで元西武外野手の大塚光二監督(53)も「チーム事情によって方針はあるだろうけど、開幕1軍を狙ってほしい」と期待を寄せた。【野上伸悟】