高校生は3人がドラフト1位で指名された。花咲徳栄(埼玉)の井上朋也内野手(3年)はソフトバンクの外れ1位。高校通算50本塁打を誇る高校NO・1スラッガーは「3割30本」を目標に掲げた。ソフトバンク内川や松田宣のような息の長い選手を目指す。最速154キロの中京大中京(愛知)・高橋宏斗投手は地元中日に、最速153キロの福岡大大濠・山下舜平大(しゅんぺいた)投手(いずれも3年)はオリックスに指名された。

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井上は3年生野球部員57人の前でソフトバンクの20年スローガン「S15(サァイコー!)」を思わせる両手ガッツポーズを決めた。マネジャーお手製のソフトバンクの帽子をかぶり「千賀投手と柳田選手を中心に投打ともに12球団トップクラスという印象です。小さい頃からの夢。少しずつ実感がわいてきました」と笑顔を見せた。

高校通算50本塁打のスラッガーはベテランの背中を追う。目標とする選手に内川を挙げ「率もホームランも打てて、毎年コンスタントに3割30本打てるようになること。息の長い選手になることです」と言った。内川や柳田との対面を心待ちにし「バッティングのことをどう考えているか聞きたい」と心を躍らせた。

松田宣の後継者としての期待もかかる。1年時から2年連続で外野手として甲子園に出場し、3年から三塁手に転向。内野、外野にこだわりはなく「選ばれたポジションで一生懸命やりたい」。松田宣はムードメーカーだが「初対面の方にも積極的に話しかけることができるので、向いてるかなと思います」と「熱男2世」襲名にも意欲的だ。

前日ともに鷲宮神社にお参りに行った岩井監督は「今日初めて井上の背中が大きく見えた」と目を細めると、井上は「人間性も厳しく指導していただいたので感謝しています」と頭を下げた。人生初の福岡で、豚骨ラーメンを食べるのを楽しみにしながら、心身ともにさらなる成長を目指す。【久永壮真】