亜大が中大に勝利し、優勝に王手をかけた。巨人ドラフト1位指名の平内龍太投手(4年=神戸国際大付)が先発し、7回を4安打7三振無失点。今季3勝目を挙げた。エースの好投に打線も応え、広島6位指名の矢野雅哉内野手(4年=育英)も先制の中越え三塁適時打を放った。優勝争いをしていた立正大は国学院大に負けたが、次戦の勝敗次第で優勝決定戦の可能性を残した。

平内が「智之2世」を堂々とマウンドで証明した。「(中大打線は)真っすぐを振ってきていたので」と遅いカーブなど精度の高い変化球と140キロ台後半の力のある真っすぐを制球よく投げ込んだ。ドラフト後、原監督からエース菅野に例えられた右腕は「今日は失点をしない、というのが課題でした」と、エースとして胸を張った。

ここぞというところでは、負けん気の強さがにじみ出た。DeNAから2位で指名を受けた牧秀悟内野手(4年=松本第一)との対決では力で封じ込めた。

先頭で迎えた2回の第1打席は146キロで中飛。第2打席は2死から149キロで遊ゴロ。第3打席、再び先頭で迎えた7回も146キロで右飛。緩急を使い、最後は自信のある球で真っ向勝負。牧を封じ込めた。平内は「いいバッターなので、インコースをついて、あるボールを全部使い抑えました」と胸を張った。

試合を観戦した巨人の脇谷スカウトは「平常心で堂々と投げている。それもまたいいですね」とあらためて評価。昨年秋は1試合も登板せず、今春は右肘のクリーニング手術で配されたが、1試合ずつ進化を続けている。

生田勉監督(54)は「明日、最後は平内でいきます」と優勝投手に指名。平内はかねて憧れの存在に元ソフトバンクの斎藤和己投手を挙げ「エースとして負けない。チームを背負って投げているところがいい」とその理由を明かしていた。「明日はいい形で大学野球を締めたい」。憧れの投手に自分を重ね、チームを優勝に導く。

▽中大・五十幡亮汰外野手(巨人1位指名平内からの1本を含む2安打)「(平内は)制球がよくなり、低めに集まっていた。安打は詰まったけど、逆方向を意識して打ちました。明日に生かしたいと思います」