日本ハムでは今オフ、メジャー移籍を希望する有原投手と西川選手の去就が注目を集めています。ポスティングシステムは、球団の容認がなければ移籍を目指すこともできませんが、日本ハムは以前から夢を応援してくれる球団。きっと認めてもらえるはずです。

私の場合はFA移籍でしたが、国内FA権を取得した10年のオフに、球団には「将来、米国でやりたい希望を持っています」と伝えていました。ですから、実際に権利を行使した12年オフは、シーズン終了後の会談の席で「頑張ってくれ。全力で応援する」と背中を押してもらいました。

メジャーリーグの移籍市場は、12月上旬に開かれるウインターミーティングが大きなカギを握っています。球団関係者、代理人などが一堂に会し、各選手の去就について直接話し合う一大イベント。多くの交渉がそこでまとまります。私の場合もその期間で前進したのですが、当時はシーズン中に負った左腕のケガ(骨折)から復帰を目指している途中。球団関係者からは「ちゃんと動けるのか確認したい」とメディカルチェックを求められました。

実際に渡米し、医学的なチェックだけではなく、幹部に見つめられながらグラウンドでのプレーも披露しました。帰国後もすぐに連絡はなかったため、「獲得に至らなかったらどうしよう」や、決まったとしても「札幌の家はどうしよう」「キャンプ中はどこに住むんだろう」など、悩んでも仕方のないようなことで悩んでいたことを思い出します。メジャー移籍の経験者である建山さんに、よく話を聞いてもらっていました。

年明けに無事、ジャイアンツと契約することができました。マイナー契約でしたが、それも覚悟のうえでどんな契約でもいくと決めていたので、何も問題はありませんでした。メールで契約書が送られてきて、サインをして送り返した記憶が残っています。米国には“はんこ文化”がありませんからね。

有原投手も西川選手も、どういった契約で移籍できるかは分かりません。ですが、夢に向かって1歩踏み出すことに意味があると思っています。新しいチャレンジを応援したいと思うし、心置きなく野球を楽しんで欲しい。ファイターズを代表して挑戦するので、米国でも“ファイターズらしく”やってほしいなと思います。