ロッテから4位指名を受けた星槎道都大・河村説人投手(22)が20日、母校白樺学園で「白樺学園高校初プロ野球選手 河村説人選手 千葉ロッテマリーンズ4位指名を祝う会」に出席した。

亜大を中退後、自主トレのため選手寮に滞在していた16年の秋以来、4年ぶりの訪問。「つらいときにここで練習したことが、今につながった。僕の原点。こういう会を設けてもらい、本当にうれしい」と感謝した。

久しぶりの母校に、懐かしい思い出がよみがえった。「帯広駅から高校に行くまでの道とか、グラウンドを見て、ずっと練習してきた日々を思い出した。濃厚な3年間だった」。403人の後輩に向けては、1年遠回りしても夢をあきらめない姿勢の大切さを説いた。「僕は1回、大学を辞めた。なあなあな気持ちで続けることもできたが、人生1回立ち止まり、違う道に挑戦するのも手。そういう勇気も、皆さんに持ってもらえたら」と話した。

同じ年に夢をつかんだ同期2人の活躍を刺激にする。同校野球部時代、一塁手だった大場悠平(22)は今春、歌手デビュー。ドラフト指名時には祝福のメールを受けており「一緒に頑張ろう」と誓い合った。

さらに13日には、控え捕手としてボールを受けてもらっていた金田利貴さん(22)が、ばんえい競馬の騎手に合格した。「道は違えどプロの舞台に立つと言うことは同じ。互いに刺激しあいながら、頑張っていきたい」と強い口調で話した。

最大のモチベーションは、天国にいるもう1人の仲間の存在だ。高2の秋、野球部同期の渡部洸稀さん(享年17歳)が事故死した。「命日には必ず洸稀のことを思い出す。僕が頑張れる大きな要因」。高校最後の夏、甲子園に立てたのは、チーム全員が渡部さんへの思いを背負い、1つになって戦えたからこそ。今度は自身がプロで結果を出し、力をくれた元チームメートに、恩返ししていく。【永野高輔】