大阪ガスの補強選手・西脇雅弥内野手(23=龍谷大)が所属する大和高田クラブの元近鉄佐々木恭介監督(70)へ特大アーチを届けた。

3回に味方投手陣が大量11失点で意気消沈する中、その裏に先頭で打席に入り、フルカウントから高め140キロ直球を反対方向の左翼席へたたき込んだ。「試合に入りすぎるといけないので、ベンチ裏で素振りをしたり工夫した。(フェンスを越えて)いくとは思わなかった。とてもうれしかった」と、指名打者として相手の長い攻撃を見続けず準備したことが結果につながった。4回には相手中堅手が見失うほど高い飛球でラッキーな2点二塁打を放つなど2安打3打点と活躍した。

9月11日の近畿地区第2次予選2回戦の日本生命戦では、西脇が放った左翼への打球が左翼フェンス上部のラバー部分を直撃。三塁塁審が一時は本塁打と判定も審判団が協議の結果、二塁打に訂正され、佐々木監督が一度退場処分(その後取り消し)となる騒動に発展したが、この日は文句なしの1発。佐々木監督に届けたという思いはあるかとの質問に西脇は笑顔で「ハイ! あります」と答えた。

補強選手としてだが、社会人1年目で都市対抗という大きな舞台を経験した。「僕はクラブチームでやっていて、補強に来て、企業チームとの差も感じた。どうやって練習していけば、その差を埋められるかを考えて、自チームで都市対抗に出られるように頑張っていきたい」。この経験を生かし、来年は佐々木監督と東京ドームへ帰ってくる。