8年ぶりの日本一を逃した巨人が、国内FA権を取得しているDeNA梶谷隆幸外野手(32)、井納翔一投手(34)のダブル獲得に乗り出す可能性が浮上した。投打両面の戦力補強を目指し、両選手が正式に権利を行使した場合に備えて、調査を進めることが25日、分かった。

梶谷は走攻守そろうDeNAの1番として、今季はリーグ2位の3割2分3厘をマーク。長打力も兼ね備えるリードオフマンで、19本塁打、53打点を記録した。巨人は1番吉川尚、2番松原の若き「ナオマツコンビ」がリーグ優勝の立役者になったが、日本シリーズではソフトバンク投手陣の厚い壁に阻まれた。原監督はシーズン中からクリーンアップ前後の打順を課題に挙げ、選手層の厚みが増せば競争の激化による相乗効果も期待できる。

国内FA権の行使が決定的な「ハマの宇宙人」井納は、プロ8年間で通算50勝。150キロ超える直球にスライダー、落差十分のフォーク、カットボールと投手としての資質は高い。今季は17試合に先発し6勝7敗、防御率3・94。推定年俸6100万円で、人的補償の必要がないCランクに分類される。ヤクルトも調査を進めるなど複数球団による争奪戦は必至の情勢だ。

今季の巨人はエース菅野が14勝を挙げたのが唯一の2ケタ勝利。高卒2年目の戸郷が9勝、新外国人のサンチェスが8勝で続くが、今村、田口は5勝、畠、メルセデスは4勝にとどまった。年間を通してローテーションを守れる先発投手の補強は課題に挙がり、中継ぎ経験もある井納は補強ポイントに合致する。