21年度版「理想の巨人打線」の完成型に近づいた。巨人は14日、東京ドームでDeNAから国内フリーエージェント(FA)権を行使した梶谷隆幸外野手(32)と井納翔一投手(34)の入団会見を実施した。同席した原辰徳監督(62)は1番梶谷から始まる理想の上位打線案を披露。井納には先発ローテーションの一角としてのフル回転を期待した。巨人は来年3月26日の開幕戦で、2人の古巣DeNAと対戦する。

    ◇    ◇    ◇

期待の高さが、力強い声のトーンに重なった。原監督は「2人の入団は非常に素晴らしいことです。ジャイアンツに足りないところに彼らの力を必要とした」と説明し、起用法に言及。隣に座る梶谷に「1番、5番、非常にここ数年苦労しています。この辺を任せられる選手が入ってきた」と目を細めると「理想の中では1番梶谷、2番坂本、3番丸、4番岡本。強いパーツが1人加わったという意味では、心強く思ってます」と思い描く来季オーダーを堂々と披露した。

梶谷加入で課題を一気に解消できる。今季は1、2番に選手を臨機応変に配してリーグ2連覇を達成したが、日本シリーズではソフトバンクに4連敗。最前線に打線の核を置く必要性が浮き彫りになった。梶谷は1番打者で今季は打率3割超えで19本塁打。巧打に長打力、走力もある梶谷なら「2番坂本」との強力1、2番タッグを担える。

井納へのリクエストも先発ローテ入りにとどまらなかった。「中5日、中6日、時には中4日で投げてもらいたい。150、200イニング近く投げてもらうことを考えています」とフル回転を待望した。エース菅野はメジャー移籍を視野にポスティングシステムを申請。プロ8年間、起用法不問で能力を発揮してきた右腕は、先発陣だけでなく救援陣をも助ける存在になりうる。

新天地で2人が輝くための協力は惜しまない。「少々鼻が伸びているなという時は、ぽきっとする時もある」と笑わせつつ、「どういう形であってもしっかり後ろからサポートする」。日本一奪還を口にして巨人のユニホームに袖を通した2人の肩に手を置き、共闘を約束した。【浜本卓也】