ソフトバンク工藤公康監督(57)が「栗原三塁」で5年連続日本一を狙う。2021年(令3)新春、さらなるチーム強化策として「栗原に三塁手をさせる」と明言。今季一塁や右翼で台頭し、日本シリーズMVPをつかんだ栗原陵矢捕手(24)を大胆コンバートする。安泰は許さないテコ入れで身内バトルを激化させ、森祇晶氏(83)に並ぶ歴代2位、6度目の日本一監督を目指す。

王者に緩みは禁物だ。パ・リーグ初の4年連続日本一を成し遂げたソフトバンク工藤監督は、V5を狙う新春に、秘策のテコ入れを明言した。昨年、大ブレークした栗原を三塁へコンバートする。「平石打撃コーチからの提案もありましたが、三塁をさせるつもりです」。捕手登録ながら外野手でレギュラーをつかんだ昨年日本シリーズMVP男のコンバートで、身内バトルの激化&底上げを狙う。

工藤監督 競争意識がしっかり芽生えた1年だった。今年も競争が激しくなる。それをまず継続することが大事になる。

昨年、多くのポジション争いの結果、チームはさらに強くなった。栗原が一塁や右翼で台頭。二塁は周東が食い込んだ。今宮の故障で遊撃も周東、川瀬、牧原にチャンスが訪れた。外野手も開幕スタメンながら打撃不振で上林やバレンティンが守備位置を奪われた。唯一、激しい競争がなかったのが、ベテラン松田が務める三塁だった。

工藤監督 僕らも選手が競争できる場を設けられるようにしたい。オープン戦はもちろん、キャンプでも紅白戦、シート打撃も用意して、しっかりアピールの場を設けたい。大事なのは結果。キャンプでも、しっかりテーマを与えて競争してもらう。

どのポジションも安泰ではないことは選手全員の共通認識だが、指揮官も手綱を緩めるつもりはない。周東にも三塁を挑戦させることを明言し、レベルの高い競争をさせるつもりだ。松田本人も含めた「ポスト松田」争いが激化することは間違いない。

「ホークスは常に優勝争いを行い、リーグ優勝、日本一が求められる。今年も(12球団)同じスタートラインに立つなか、今年も勝っていかないといけない」。監督として歴代2位の森氏に並ぶ6度目の日本一へ。「世代交代」を含めた競争激化で、王者をさらに強くする。【浦田由紀夫】